オランダ:医学部の卒業生、米国医師免許取得のための受験が可能に

2018年11月にオランダの質保証機関であるオランダ・フランダースアクレディテーション機構(NVAO)は、世界医学教育連盟(WFME)※1の認証を受けた。これは、2023年に米国の医師免許取得に関する制度が変更され、WFMEの認証の有無が米国医師免許受験資格の条件になることを受けた措置である。
今回のWFMEの認証により、オランダの高等教育機関で医学を学んだ学生は、当該機関がNVAOの認証を受けていれば、2023年以降には米国で医師免許取得のための試験が受験でき、最終的には米国で医師として働くことが可能となる。

※1世界医学教育連盟(WFME)
医療分野の教育に関する国際基準を有し、質保証機関の評価を行う国際的なネットワーク。認証された質保証機関は国際基準に合致した評価ができるとみなされる。

上述の米国における医学分野の将来的な制度変更により、外国で医学を学んだ学生が米国で医師になるには、WFMEの認証を受けた質保証機関に与えられるEducational Commission for Foreign Medical Graduates(ECFMG)の承認を有する質保証機関から適格認定を得た課程を修了することが必要となる(下図、参照)。NVAOによれば、欧州でECFMGの承認を有する質保証機関は2018年11月時点でNVAOのみである。日本では、日本医学教育評価機構(JACME)が認証を受けており、当該機関が日本の医学部へのプログラム適格認定を行っている。

なお、医師免許に関しては、欧州や東南アジアでは各域内の他国においても免許自体が有効となっている。
例えば欧州地域では、欧州域内で取得した医師免許は域内の他国でも有効であり(本サイト2015/3/16投稿記事)、東南アジアにおいては医師についてASEAN共通の資格や認証組織が整備されていないものの、医師免許は相互認証協定の対象となっている(本サイト2017/1/30投稿記事)

今回、NVAOがWFMEから受けた認証の有効期間は10年間であり、NVAOの認証を受けた大学の学生は2023年以降、米国の医師免許取得のための試験を受ける資格が認められる。NVAOによると、医学プログラムには同分野の特有の基準を用いて適格認定を与えている。
ただし、今回の措置が認定以前に入学した学生に対しても適用されるかは明らかになっていない。

原典:NVAO(オランダ語)
参考:ECFMG(英語)

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