ガバナンスの課題が浮き彫りに ーオーストラリア高等教育機関評価結果(2013-17)

2018年9月12日、オーストラリア高等教育質・基準機構(TEQSA)は、2013-2017年※1に実施した機関登録※2及びコースアクレディテーション※3の評価結果に関する報告書「Assessment Insights –September 2018」を公表した。この報告書には、新規及び既存の高等教育機関がTEQSAの評価を十分理解し、より良い評価結果を得るための留意点がまとめられている。

報告書の主な内容

・機関登録やコースアクレディテーションの評価基準を定めた高等教育基準枠組(HES Framework)が改定される直前であったため、2016年から2017年にかけて新規機関登録の申請数が急増した。しかし、実際に登録が承認された機関数は例年並みにとどまった。(表1)

表1)新規機関登録申請状況(2014-2017年)

  申請数 承認数
2014 5 4
2015 7 5
2016 9 7
2017 28 4
(TEQSA「Assessment Insights –September 2018」をもとに当機構で作成)

・営利機関(For-profit)については、機関登録かコースアクレディテーションかを問わず、他の機関種に比べ、承認以下の評価結果(不承認、条件付き承認、登録(認定)期間の短縮)となる割合が高い。

<参考>承認以下の評価結果を受けた機関の割合(2013-2017年)
(TEQSA「Assessment Insights –September 2018」をもとに当機構にて算出)
【営利機関】登録または再登録:約67% コースアクレディテーション:約38%
【非営利機関】登録または再登録:約29% コースアクレディテーション:約22%
【大学】登録または再登録:0%
(注)大学は自己認証権があるのでコースアクレディテーションを受審する必要がない

承認されない理由とは

1)高等教育機関登録(評価基準:2011 Provider Registration Standards (PRS))

承認以下の評価結果(不承認、条件付き承認、登録(認定)期間の短縮)となった事例において、どの基準に問題があったかを表したのがFigure 4である。基準3「法人・教学ガバナンス」(81%)と基準5「マネジメント体制と人材」(73%)は、他の基準と比べて多く問題が見られる傾向がある。

(出典:Assessment Insights –September 2018, TEQSA)

基準3は基準3.1~3.8の8つの基準で構成されているが、その中でも、特に80%以上の事例で基準3.8(ガバナンスを通じて高等教育機関自身でその質を保証する能力)に問題が見られた。

2)コースアクレディテーション(評価基準:2011 Provider Course Accreditation Standards (PCAS))

一方、同様の比較をコースアクレディテーションで見てみると(Figure 5)、基準5 アセスメント(成績評価)(69%)、基準1 コースデザイン(64%)、基準4 教授と学習(57%)の3つに高等教育機関側の問題が集中している傾向にある。

(出典:Assessment Insights –September 2018, TEQSA)

※1 2017年1月1日に改訂された現行の高等教育基準枠組(Higher Education Standards Framework 2015)以前の旧枠組に基づく評価。

※2 機関登録:オーストラリアで高等教育を提供するためには、TEQSAの高等教育機関登録簿への登録が必須である。登録期間の上限は7年間で、当該機関に問題がある場合には登録年数が削減される。2019年2月時点で172の高等教育機関が登録されており、このうち大学は全43機関。

※3 コースアクレディテーション:高等教育機関は、TEQSAのコースアクレディテーションで適格認定(上限7年)されたコースのみを提供することができる。ただし、大学など自己認証権(SAA:Self-Accrediting Authority)を有する機関については、一部またはすべてのコースについて、コースアクレディテーションを受審せずともコースを提供できる。

原典①:TEQSA(英語)
原典②:TEQSA(英語)

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