中国では、これまでダブルディグリー(原語:双学位)及びジョイントディグリー(原語:联合学位)に関する明確な規定がなかったが、2019年7月、国務院学位委員会※から発表された「学士学位の授与と授与管理に関するガイドライン(原語:学士学位授与权与授与管理方法)」に明記され、法的根拠ができたことで、今後の更なる推進が見込まれる。
- 副専攻学位(原語:補修学士学位)
- 主専攻と異なる学問分野(原語:专业大类)に属する副専攻に授与される学位。
- 主専攻で学位が取れなければ、副専攻の学位も授与されない。
- 副専攻の学位は、主専攻の学位に併記され、単独の学位証書は発行されない。
- ダブルディグリー(原語:双学位)
- 学位授与権を持つ大学は、ダブルディグリープログラム人材育成計画を策定後、省レベルの学位委員会の認可を受けると、学内の異なる学問分野にまたがった、複合型人材育成のダブルディグリープログラムを開設することができる。
- ダブルディグリープログラムは、優秀な学生を対象とした、高いレベルや高い質のプログラムでなければならない。
- ダブルディグリープログラムを提供する学科は、博士の学位授与権を有していなければならない。
- 学生募集は大学統一入学試験(原語:高考)を通じて行う。
- 発行されるのは単一の学位証書のみで、ダブルディグリーであることが明記される。
- ジョイントディグリー(原語:联合学位)
- 学位授与権を持つ大学間において共同教育協定を結び、ジョイント人材育成プログラム実施計画を共同で策定後、省レベルの学位委員会の認可を受けると、ジョイントプログラムを開設することができる。
- ジョイントディグリーの授与基準は双方の大学の学位授与基準を満たしていなければならない。
- 学生募集は大学統一入学試験(原語:高考)を通じて行う。
- 学位証書は学籍のある大学からのみ授与される。
- 学位証書には、ジョイントディグリーの相手側の機関名も記載される。
学士課程後の教育として、従来提供されてきた「第二学士学位」と呼ばれる課程は廃止される。この 「第二学士学位」 の制度は、改革開放の初期段階において、脆弱 であった大学院教育の体制を補うためのものであったが、今日、大学院教育の発展に伴いその役割を終えたとしている。
一方で、技術革新が急速に進む現代において、「第二学士学位」を継続教育の一環としてとらえると、「第二学士学位」の廃止は、新たな専門知識を学ぶ機会を閉ざすものとなり、批判の声も上がっている。
※国務院学位委員会は 「中華人民共和国学位条例」に基づき設置され、全国の学位授与の管理とそれに関連する業務を行う機関である。学位を授与する学問分野・専攻のリストの制定、学位条例の実施方法やそれに関する規則や制度の制定・改定などを行う。事務局は教育部に置かれている。
原典: 教育部 (中国語)