アメリカ:学生ローンを返済できない人の数が減る傾向に

2019年9月25日、米国連邦教育省は、2016会計年度における学生ローンの返済が滞る、すなわちデフォルト(債務不履行)率※1は10.1%であり、2015年度の10.8%を下回ったと発表した。デフォルト率は2014年の11.5%から減少し続けており、2012年に初めて2009年度の数値を公表してから最も低い値となった。

デフォルト率は、Federal Family Education Loan (FFEL)※2もしくはWilliam D. Ford Federal Direct Loan※3の貸与を受けた学生の数に基づいて算出されている。2016年度中にこれらの学生ローンを借りた学生総数は4,533,276人であり、そのうち、6,130機関に在籍する458,687人、すなわち、全体の10.1%の学生による返済が滞っている状況である。

デフォルト率が1年間で40%以上、または、3年間で30%以上、あるいは、このどちらにも当てはまる高等教育機関はデフォルト率が高いとみなされる。これらの機関には、連邦政府が行う学資援助プログラムの適用資格を喪失する制裁措置が講じられ、2016年には15校がその対象となった。このうち、前年度から引き続き制裁措置を受けた機関は4校あった。これらの機関名は、連邦教育省のウェブサイト上に公表されている。

デフォルト率が30%以上の機関は、組織内に特別委員会を設置し、原因究明や連邦教育省に提出する対応計画を作成することが必要となる。連邦教育省では、機関を支援するための研修プログラムや会議を開催するとともに、学生による学資援助プログラムの活用を支援するツールをウェブサイトに掲載している。

※1  ある会計年度(10月1日~9月30日)において、学生ローンの返済を開始し、続く2会計年度末までに返済が滞った者等の割合。
※2 1965年施行の高等教育法に基づき、1965年から2010年まで実施されていた学生ローン。連邦政府が保証し、民間金融機関を通じて支給されていた。
※3 2010年施行の「ヘルスケアと教育における和解に関する法律(the Health Care and Education Reconciliation Act)」に基づき、2010年から現在も行われている連邦政府による直接貸与型学生ローン。

原典:連邦教育省(英語)

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