豪州への留学が増加し続けている。豪州教育省の発表「2019 International student data summary」によると、2019年に豪州の教育機関の課程へ入学した留学生の数(International enrolments)は前年より約8万人増の956,773人となった(うち758,154人は留学ビザを取得し、私費で留学している者)。豪州の受入留学生数は、2013年より7年連続で増加している。
出身国の内訳は、中国が全体の27.3%と最大のシェアを占め、次いでインド(15.1%)、ネパール(7.2%)、ブラジル(4.3%)、ベトナム(3.3%)の順となっている。
また上記の5カ国には及ばないが、前年と比べて、留学生数が大幅に増加した国として、コロンビア(21.5%増)、フィリピン(90.8%増)、パキスタン(26.5%増)などが挙げられている。
教育機関種別の割合に着目すると、高等教育機関に留学生数の半数近く(46.2%:442,219人)が入学しており、以下、職業教育訓練機関(VET)[29.7%]、留学生向けの英語集中コース(ELICOS)[16.4%]と続く。
留学生出身国のおよそ4人に1人を占める中国をはじめ、多くの国から留学生を受け入れる豪州の教育機関にとって、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大は、今後の受入れに影響を与えている。豪州政府は2020年2月より中国からの直接的な入国が制限されている(※さらに、2020年3月20日より豪州人及び永住者とその近親者を除く全ての者が豪州への入国を制限されている)。豪州では3月から新学期が開始する大学も多く、この渡航制限により留学の機会を逸する恐れがある。こうした新型コロナウィルスの影響を受けている学生への配慮として、新学期の開始時期を遅らせる措置や、教育課程においてオンラインまたは遠隔教育の提供割合の拡大を認める動きが出ている(本サイト2020/3/25投稿記事)。
原典➀:
豪州教育省(英語)
原典➁:
CNBC(英語)
原典➂:
在日オーストラリア大使館(日本語)