豪州:リスクアセスメントの改善に向けてTEQSAがコンサルテーションを実施

2020年1月24日、豪州高等教育質・基準機構(TEQSA)は質保証制度の一つであるリスクアセスメントに関する一連の意見募集(コンサルテーション)結果を公表した。TEQSAは、2014年に開始された同制度の見直し・改善を行うため、2019年に高等教育機関へのアンケート調査やワークショップを通して、現行の制度に対するステークホルダーからの意見を集約した。特に2019年7月から9月にかけて豪州の5大都市で実施されたワークショップにおいては、合計で140を超える高等教育機関からの参加があり、活発な意見交換が行われた。TEQSAは豪州内の規制・監督機関である一方、近年「高等教育セクターとのパートナーシップ」を強調しており、今回の取組もその一環とみられている。

TEQSAのリスクアセスメント
TEQSAは、豪州内の高等教育機関に対する質保証制度として、「機関登録」※及び「コースアクレディテーション」を行う一方で、高等教育機関に対し毎年リスクアセスメントを実施している。リスクアセスメントは、高等教育機関またはコースについての包括的な評価を行う登録またはアクレディテーションと異なり、主に「学生に対するリスク」と「財政面におけるリスク」についてのアセスメントを行っている。アセスメントの際には12のリスク指標が用いられる。アセスメントの結果検出されたリスクは、受審した高等教育機関に通達されるとともに、次回のアクレディテーションにおいて重点的に確認がなされる。リスクアセスメントの詳細については当機構発行「諸外国の高等教育分野における質保証システムの概要 オーストラリア」の41-43ページを参照のこと。
※一度登録を受けた機関は、7年以内毎に(有効期間は機関により異なる)改めてTEQSAのアクレディテーションを受け、再登録を受ける必要がある。例外としてTEQSAのアクレディテーションを受けることを免除される自己認証高等教育機関が存在する。

コンサルテーションの結果
一連の調査やワークショップを通して、リスクアセスメントの制度の大枠については大多数の参加者から賛同を得た一方、いくつかの点については、改善を要する旨の意見が寄せられた。

主な意見
・「退学率」「学生に対する教職員の割合」などいくつかの指標がリスクの実態を反映する指標として適していない。
・アセスメントに用いられるデータがタイムリーでないためことによる、データと実態に乖離が生じている。

またリスク指標について、最近の高等教育の動向を踏まえ、指標の追加の要望も寄せられた。

主な指標候補
・学術的公正性(論文不正に対する対応など)
・高等教育機関自身のリスク回避方針

TEQSAは今回のコンサルテーションを通して得られた意見を基に改訂作業を行い、2020年上半期中に改訂版リスクアセスメントの完成を目指すとしている。

原典: TEQSA(英語)

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