コロナ禍での大学入学、試験範囲や入試方法の変更も:ヨーロッパ等54か国への調査

新型コロナウイルスの流行は、秋に新年度を迎える国が多いヨーロッパにどのような影響を与えているか。2020年6月にリスボン承認規約(Lisbon Recognition Convention)加盟各国に対してアンケート調査が行われ、8月4日に結果が公表された。

このアンケートは、規約に加盟する国が設置する国内情報センター(national information centre)のネットワークが企画したもので、コロナ禍での対応としてネットワークを挙げて掲げる5つの目標*を達成するために行う取り組みの1つ。デンマークのセンターが中心となり、各国の中等教育修了資格と高等教育への接続に関する現状を調査した。

今年生じた変更

規約加盟54か国中、本調査には34件の回答があり、そのうちの19件(18か国と1つの国際資格)で今年と昨年までとで高大接続に関し何らかの変更が生じていた。変更点には全国試験の延期や中止、試験範囲の変更、証書の発行や高等教育への入学時期の遅れなどが見られた(表1参照)。

例えば、スウェーデンでは春に予定されていた中等教育修了のための全国試験が中止となった。そのため、成績評価には他の試験や以前の全国試験の結果が用いられることとなった。また、スペインでは大学入学試験の日程が延期され、6月22日~7月10日の間の実施となった。当初の予定では、この試験は6月19日までに終えることとなっていた。一方、ドイツやイタリアは、従来通りの中等教育修了と高等教育への接続が行われると回答している。

*①資格承認の支援のため、新型コロナウイルスに関する情報の開示と共有、②新型コロナウイルスにより阻害された学習に対する公正な承認の支援、③対話の設定と専門家による支援、④状況のモニタリング、⑤行動の透明化

中等教育での成績評価方法の変更ニュージーランド
中等教育の修了・高等教育への入学の遅れフランス、ギリシャ、リトアニア
中等教育修了証書発行の遅れチェコ、ギリシャ、リトアニア
夏期の補習実施オーストリア、トルコ
全国試験の中止・評価方法の変更フランス、イギリス、国際バカロレア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス
全国試験の延期アイルランド、ポルトガル、スペイン
試験範囲の変更オーストリア、アイルランド、リヒテンシュタイン、ポーランド、ポルトガル
大学入試の実施方法変更フィンランド、オランダ、トルコ
表1:新型コロナウイルス流行に対する各国の中等教育から高等教育への接続に関する対応

※アンケート実施時点での状況(2020年6月現在)
※掲載した国の中には、上記が発生する可能性があると回答した場合も含めた
※原典②の内容をもとにNIAD-QE国際課が作成

高等教育資格承認情報センターによる各国情報の発信

大学改革支援・学位授与機構の高等教育資格承認情報センターは、日本の大学及び専門学校の入学資格に関連する諸外国の学習・資格の動向として、14か国と1つの国際資格で行われる新型コロナウイルスの世界的流行への対応を調査し情報を公開している。今回のアンケート調査の対象からも、フランス(バカロレア)、ドイツ(アビトゥア)、ロシア、イギリス(GCE-Aレベル)と国際バカロレアについての情報を随時最新のものに更新している。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う日本の大学/専門学校入学資格に関連する外国での学習・資格の動向

原典①:enic-naric.net (英語)
原典②:enic-naric.net (英語)

カテゴリー: ドイツ, フランス, EU, 英国 タグ: , , , パーマリンク

コメントを残す