2020年8月14日、韓国教育部は「高等教育機関の評価・認証等に関する規定第６条第３項」に基づき、韓国大学教育協議会の韓国大学評価院（KCUE-KUAI）を第３周期の大学機関別評価認証を行う機関に指定した。KCUE-KUAIは2020年まで第２周期の大学機関別評価認証を担ってきたが、引き続き2020年11月16日から2025年11月25日までの５年間、第３周期の大学機関別評価認証を担うこととなった。評価認証の基準、方法、プロセス等はKCUE-KUAIが定める。
韓国の高等教育機関の評価認証制度は1982年に導入され、同年に設置された韓国の４年制大学の協議体である韓国大学教育協議会（KCUE）により行われてきた。2011年以降は、KCUEの下に設置された韓国大学評価院（KCUE-KUAI）が５年周期で評価認証制度を担ってきた。第１周期の大学機関別評価認証は2011年から2015年までの５年間、第２周期は2016年から2020年8月までの５年間行われた。
韓国の高等教育機関の評価認証制度は、高等教育法第11条の２に基づき、大学が教育機関として基本的要素を満たしているか否かを評価し、高等教育の質向上を目指す。同制度は韓国の４年制大学を対象とし、受審は任意だが、評価結果は韓国政府による大学への行財政支援事業等に活用することができるとされていることから、多くの大学が受審している。
第２周期（2016-2020年）の大学機関別評価認証の成果について
第２周期では、６つの必須評価項目と５つの評価領域が設けられ、大学教育の基本的要素を評価した。また、韓国高等教育政策の方向性及び国際的な動向を反映する観点から、大学の成果及び社会的責任に関する評価項目を取り入れ、大学教育の基盤を整備するきっかけとなった。受審の状況は、申請大学が174校、うち認証（条件付き認証を含む）を受けた大学が160校、優良事例に選定された大学が19校である。認証された大学の認証期間や評価結果、優良事例の詳細等はKCUE-KUAIのウェブサイト（韓国語）に掲載されている。
第３周期（2020-2025年）の大学機関別評価認証について
第３周期は、2020年9月から2025年までの５年間行われる。第１周期、第２周期と同じように大学教育の質保証・質向上、社会的責任の拡大、競争力や国際通用性の強化などの達成を主な目標とする。また、第3周期では、評価項目を代替することを認めることで各大学の特性が幅広く反映できる評価に重点を置いている。
第２周期からの主な変更点
- 「必須評価項目」の区分がなくなった。第２周期では、原則として６つの必須評価項目すべてにおいて基準を上回る大学に限り、評価の受審資格を認めていたが、第３周期からはその条件がなくなった。
- 評価内容の構造が３段階（評価項目→評価分野→評価領域）から２段階（評価項目→評価領域）に変更され、「評価分野」がなくなった。また、各評価内容が全体的に見直された。なお、ボトムアップアプローチで、各下位段階（評価項目）の評価結果に基づいて上位段階（評価領域）を総合的に判定する方針は変わらない。
- 評価の尺度が、「可（Pass 충족）、不十分（Weak 미흡）、不可（Fail 미충족）」から「可（Pass 충족）、条件付き可（Conditional Pass 조건부충족）、不可（Fail 미충족）」に変わった。
また、第３周期の評価内容及び判定基準はそれぞれ以下の表のとおりである。
＜参考記事、参考ページ＞
・2019年上半期、下半期の機関別評価認証の結果
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/07/29/kuai-accreditation-result2019-1/（上半期）
https://qaupdates.niad.ac.jp/2020/03/04/kuai-accreditation-result2019-2/（下半期）
・NIAD-QE『諸外国の高等教育分野における質保証システムの概要 韓国 第２版』
http://www.niad.ac.jp/n_kokusai/info/korea/overview_ko2_j.pdf
・NIAD-QEの国際連携活動＞KCUE
https://www.niad.ac.jp/consolidation/international/intl_engagement/korea.html
＜原典＞
KCUE-KUAIの報道資料
「韓国大学評価院、高等教育機関の評価・認証を行う認定機関として再指定」（韓国語）
韓国教育部の報道資料
「政府指定の高等教育機関評価認証の認定機関の公告」（韓国語）
