韓国大学教育協議会の韓国大学評価院(KCUE-KUAI)が、2020年の大学機関別評価認証の結果を公表した。2020年は、3大学が申請し、そのうち2大学が認証、1大学が条件付き認証と判定された。同評価認証は、2014年から政府の行・財政支援事業と連携を始め、当該年度には多くの大学が支援事業への参加のため、同評価認証に受審し認証を得た。2019年、2014年に認証を得た大学の認証有効満了が迫り、引き続き多くの大学が同評価認証を受審した。その結果、翌年の2020年の受審は3校と少ない数となっている。なお、KCUE-KUAIは、毎年評価結果とともに当該年の優良事例を選定し紹介しているが、2020年には優良事例に選定されたケースはなかった。
<2020年の大学機関別評価認証で認証又は条件付き認証と判定された大学>
・認証:西京大学、秋渓芸術大学(認証期間:2020年9月1日 ~ 2025年8月31日)
・条件付き認証:嶺南神学大学(認証期間:2020年9月1日 ~ 2022年8月31日)
<概要> KCUE-KUAIとKCUE-KUAIが行う大学機関別評価認証について
KCUE-KUAIは、政府から認定された大学機関別評価認証の実施機関として、2011年から2015年までを第1周期、2016年から2020年までを第2周期とする大学機関別評価認証を実施してきた。なお、2020年8月14日付けで、第3周期の大学機関別評価認証の実施機関として指定され、2020年11月16日から5年間、引き続き同評価を担うことになる。
大学機関別評価認証は、高等教育法(第11条の2)に基づいて実施される高等教育機関の評価・認証事業として、大学が教育機関としての基本的要件を満たしているか否かを評価するとともに、その結果を公表することにより、大学に対する社会の信頼を醸成するための任意の評価制度である。評価の結果により基本的要件を満たしていると判定された大学は「認証」を得る。
認証の区分には、「認証」のほか、「条件付き認証」、「認証保留」、「不認証」がある。「認証」と判定された場合、「認証」の有効期間は5年間となる。「条件付き認証」と判定された場合の有効期間は2年間となり、認証後1年間、改善を要すると判定された領域について改善を行った上で、追評価を受けなければならない。「認証保留」と判定された大学は、判定後2年以内に改善成果に基づく追評価を受ける必要がある。「認証」、「条件付き認証」、「認証保留」のいずれの区分にも該当しない大学は、「不認証」と判定される。「不認証」と判定された大学は、判定2年後に再度受審を申請することができる。
大学機関別評価認証の結果は、高等教育機関の質保証体制に関する客観的指標として、政府が大学への行・財政支援事業等に活用することができるとされており、韓国国内では、高い注目を集める大学情報の一つである。
認証又は条件付き認証と判定された大学の認証期間や評価指標ごとの評価結果はKCUE-KUAIのウェブサイト(韓国語)に掲載されている。また、大学機関別評価認証の評価項目、プロセス、判定等の詳細については、当機構が2019年に刊行した『諸外国の高等教育分野における質保証システムの概要 韓国 第2版』に掲載している。
<参考記事>
2019年の大学機関別評価認証の結果:
https://qaupdates.niad.ac.jp/2019/07/29/kuai-accreditation-result2019-1/(上半期)
https://qaupdates.niad.ac.jp/2020/03/04/kuai-accreditation-result2019-2/(下半期)
<原典>
KCUE-KUAIの報道資料
「2020年大学機関評価認証結果発表」(韓国語)、
「韓国大学評価院、高等教育機関の評価・認証を行う認定機関として再指定」(韓国語)