2025年8月1日、私立中等後教育機関の登録制度について定めた「Post Secondary Colleges Ordinance 專上學院條例」の改正が公表された。今回の改正では、学位授与権の承認権限を香港特別行政区行政長官から香港教育局局長へ移譲すると同時に、教育プログラムの質保証を強化する内容が新たに示された。学位授与権の承認権限の移譲に関する条文は2025年8月1日発効、それ以外の条文は翌年、2026年8月1日に発効する。
2025年6月に「改正案」(Post Secondary Colleges (Amendment) Bill 2025)が議会を通過した際の香港教育局局長の発言によれば、本法令の改正にあたっては、私立中等後教育と公的資金による中等後教育が並行して発展し、私立中等後教育機関の規制枠組みの整備により私立中等後教育セクターの質が向上すること、私立中等後教育が多様性という強みを発揮すること、国家及び香港の人材育成のために、香港が中等後教育の国際ハブとなって教育強国の構築※1に貢献することの3点が期待されている(Government welcomes passage of Post Secondary Colleges (Amendment) Bill 2025/政府歡迎立法會通過《2025年專上學院(修訂)條例草案》)。
※1「教育強国の構築」とは、中国共産党と中央人民政府が掲げる政策。初等教育から高等教育、生涯教育までの各段階の教育の質の向上、国家と社会のニーズに合った人材育成等を目指す。2027年までに教育強国の構築へ向けた成果を上げ、2035年までに教育強国を完成させるとしている(本サイト2025/3/24投稿記事参照)。
具体的には、学位授与権の承認権限を香港特別行政区行政長官から教育局局長へ移譲することで、私立中等後教育機関は、教育局局長の承認を経て、ディグリー(degree 學位)、サブディグリー(sub-degree 副學位)※2、ディプロマ(Diploma)、サーティフィケート(Certificate)を授与することができることとなった(Post Secondary Colleges Ordinance 專上學院條例 第5条(2))。時代遅れまたは過度に細かい規定を廃止することによって、私立教育セクターは市場のニーズに応じたプログラムを立ち上げて柔軟に人材を育成することができるという利点を十分に発揮できるように体制が整えられた。(Post Secondary Colleges (Amendment) Bill 2025 to be gazetted Friday/《2025年專上學院(修訂)條例草案》周五刊憲)。
※2 ディグリーは学士以上、サブディグリーは副学士(associate degree)及び高等ディプロマ(higher diploma)のことを言う(同第2条)。
一方で、ディグリー又はサブディグリーを授与する教育プログラムについては、質保証の管理が強化されることとなった。評価機関によるアクレディテーションレポートで、当該教育機関がプログラムを運営する能力があること、そのプログラムが香港資格枠組み(HKQF)の基準を満たしていることを示す必要がある。また、そのプログラムは「資格登録簿(Qualifications Register: QR)」※3に登録されなければならない(同第5条(3))。
※3「資格登録簿(Qualifications Register: QR)」は、香港資格枠組みで認められた学位・資格を参照できるデータベース。評価機関である「香港学術及職業資歴評審局(HKCAAVQ)」が管理している。
なお、私立中等後教育機関の名称に大学(University)を冠することへの承認権限は、引き続き香港特別行政区行政長官が有する(同第8条)。
原典:第320章 《專上學院條例》 – Cap. 320 Post Secondary Colleges Ordinance







