英国高等教育における新たな質保証制度(リスクベース評価)の導入(2014年開始予定)

原典:イングランド高等教育財政カウンシル(HEFCE)(英語)

HEFCEが高等教育における質保証の今後の方向性についての協議結果を発表した。HEFCE理事会によって合意されたこの結果は、2013-14学次年度から運用が開始される予定である。

主な内容

  • HEFCEは、機関別レビューを通して、HEFCEが資金提供するすべての機関における質と水準の定期的なアセスメントを保証するための法的義務を果たし続ける。
  • QAAのウェブサイト上で、各高等教育機関の次回レビューがいつ行われるか公表するようにする。
  • HEFCEはQAAに対し、より個々の高等教育機関の状況に適した機関別レビューを実行することを要請する。
  • QAAに対し、共同教育プログラムのレビューを分けて行うことはせず、すべての高等教育機関で、統一されたレビュー方法を使用するように要請する。このようなレビュー方法は、学位授与権を持つ機関か否かを含め、個々の機関の状況を十分に考慮する必要がある。
  • QAAによる中間サイクルレビューの中止(以前は機関別オーディットの3年後に受けていた)。
  • 教育の質と水準の保証について十分な実績を持つ機関は、レビューサイクルを6年とする。
  • 教育の質と水準の保証について実績が足りない機関は、レビューサイクルを4年とする。
  • QAAによるconcerns schemeの継続的な活用と普及促進を通じて、定期レビュー間の質と水準を保証しようと努める。
  • QAAに対し、レビューにおいて、機関の自己評価報告書や学生の意見書などの公的にアクセス可能なデータや情報を使用するよう要請する。HEFCEが日常的に収集した各機関が発信するアカウンタビリティ情報を基にし、機関のリスクプロファイルを監視するための確立されたプロセスを引き続き使用する。
  • 学生の学習機会の向上、機関別レビューのテーマ別要素に関する新しい判定を維持することによって、教育の質保証向上のための強力なアプローチを保証する。
  • 継続的な向上プロセスの一環として、学生を質保証に参画させることを高等教育機関に奨励し続けるようQAAに要請する。
  • HEFCEは、2015-16年にリスクベースアプローチの独立した評価を実施する予定。
  • QAAは、リスクベースレビューのハンドブック最終版を2013年春に発表する予定。
  • リスクベースの機関別レビューは2014年1月から開始。新しいアプローチの実施に先立ち、QAAは教育機関向けのトレーニングイベントを実施。
※「concerns scheme」について
学生や一般人、及び高等教育機関に関心のある団体は、特定の機関の質保証について懸念する事項がある場合には、QAAに対して検討を依頼することができる。これにより、QAAは、特定の大学の特定の学科や学部レベルを訪問し、調査を実施する。
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