TEQSAが規制(監督)プロセスに関する改革指針を発表

原典:TEQSA(オーストラリア高等教育質・基準機構)(英語)

2013年10月3日、TEQSAは規制(監督)プロセスに関する改革指針(reform agenda)を発表した。TEQSAは、高等教育の質管理にかかるリスクマネジメントや質の維持に有効なプロセスは残したまま、すべての高等教育機関の負担を軽減するために、TEQSAの規制(監督)の制度(regulatory framework)を引き続き改善していく考えを明らかにした。この改革指針は、高等教育セクター等からの意見聴取と、2013年8月に発表された「Review of Higher Education Regulation REPORT」(本サイト2013/10/1投稿記事)を受けて、2012年1月のTEQSA発足以来培ってきた経験や実績に基づいて策定された。

TEQSAは、教育機関からの必要事項の報告、他の規制団体が要求する事項の重複、評価等の決定を下すまでの所要時間といった領域の改革を行う。プロセスの改革により、意思決定期間の短縮、提出を求める根拠資料や報告事項の削減が可能となる。指針の一部はすぐに実行され、残りは2014年中に段階的に進められる。

TEQSAは、既存の高等教育機関については、高等教育機関自らが規制(監督)を行う(self-regulation)方向で検討している。しかし、新しく高等教育に参入する機関や、質の高い高等教育の提供について実績が実証されていない機関については、引き続きTEQSAによる規制(監督)を受けることとなる。

改革指針における、主な負担軽減策は以下のとおり

  • 再登録、再コース・アクレディテーション、コース・アクレディテーションのプロセスにおいて、各教育機関に応じた評価(assessment)プロセスの必要事項を定め、提出を求める根拠や情報を大幅に削減する。
  • 既に収集された情報や既存の情報収集システムを利用し、高等教育機関から新たに提出を求める情報量を削減する。
  • 高等教育(higher education)に関する政策・規制(regulation)・計画
  • 各高等教育機関の情報収集・管理について、より効果的な方法を導入する。(例えば、TEQSAに対して情報の転送や電子媒体での申請ができる各高等教育機関向けのウェブサイトポータルを導入する)。
  • 教育省(Department of Education)やその他のステークホルダー等と協力関係を構築し、既存情報の有効利用や報告を求める事項の重複削減を行う。
  • TEQSAのリスク規制枠組(Regulatory Risk Framework)と規制プロセスとの連携を改善し、リスク指標項目を大幅に削減するための見直しを行う。
    • リスク規制枠組:
      質の高い高等教育の提供に関するリスクについて、TEQSAが体系的に確認するための対応であり、2012年2月に発表された。高等教育機関の歴史や基準順守の実績、財務状況・財務能力、職員の人材、学生経験に焦点が当てられている。
    • リスク指標:
      高等教育機関の最低基準(※)順守能力に関するリスクの認定と評価のため、財務状況や組織のガバナンス、学問の質等に関する46の指標が設定されている。
※最低基準:
すべての公認の高等教育機関に対する基本となる基準(高等教育基準枠組)のうち、オーストラリアにおける高等教育システムに参入・存続するために教育機関が満たさなければならない基準(機関登録基準、機関形態基準、機関アクレディテーション基準、資格基準)

なお、リスク規制枠組と再登録、コース・アクレディテーション、再コース・アクレディテーションにかかるプロセスの今後の方向性について、2013年10月22日にコンサルテーション・ペーパーが出されている。

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