原典:欧州連合理事会(Council of the European Union)(英語)
欧州連合理事会(Council of the European Union)は、教育、青少年、文化、スポーツ委員会を2014年5月19-20日にブリュッセルで開催した。この会合で、教育分野では、効果的な教員教育、多言語主義と語学コンピテンシー育成、教育と職業訓練支援のための質保証、の3件の結論が採択された。一方、国境を越えた教育の是非、U-Multirank、子供のメディアリテラシーなどについても議論がなされた。
今回採択された結論のうち、教育と職業訓練支援のための質保証に関する結論では、特に以下の項目についての言及が注目される。
- あらゆる分野でのフォーマル学習とノンフォーマル学習※1の質向上
- OER※2や国境を越えた教育といった新興教育分野への質保証対策
- 欧州全体におけるプログラム別から機関別評価への移行
- 質保証機関の国境を越えた活動
- 共同教育プログラムの質保証の簡略化
また、欧州連合加盟国に対しては、あらゆる分野での国境を越えた質保証機関間の連携を呼びかけている。海外分校やフランチャイズ校※3の質保証においては、前述の質保証機関間の連携や欧州質保証機関登録簿(EQAR)の活用が提案されている。
一方、加盟国と欧州委員会が協働して、あらゆるオンライン教育に対する質保証の問題に対処することや、質保証に関する国際的な連携を継続することも推奨されている。
フォーマル学習:
組織的・構造的環境において生じる学習で、(目標・時間・資源の点で)学習であることが明示されている。学習者の視点から見て意図的なものである。通常、(資格・学位や単位の)認定、認証につながる。例えば、学校教育や職場での研修などが該当する。
ノンフォーマル学習:
計画された活動に埋め込まれているが、(学習目標、学習時間又は学習支援などの点で)明示的に学習として示されていない学習。学習者の視点から見て意図的なものである。ノンフォーマル学習の定義は曖昧な部分が多いが、例えばセミナーへの出席などが含まれるようである。
(参考:職業能力開発総合大学校「欧州教育・訓練政策関連用語集」)
公共利用またはオープンライセンスのもと提供されている教材のこと。
海外分校:
高等教育機関が所有するキャンパスで、メインキャンパスや本校とは別のキャンパスのうち、国境を越えた位置にあるもの。大抵の場合、その規模はメインキャンパスや本校よりも小さい。
フランチャイズ校:
学位を授与する教育機関が、自らの教育課程の一部または全てを別の教育機関で行うことを承認すること。通常、課程の内容、教育や成績評価の方法、質保証に関しては学位を授与する機関が責任を持つ。また、学生は学位を授与する機関の在籍扱いとなることが多い。
参考:QAA用語集