教材費削減―OERを教科書代わりにするLumen Learningの取組み

原典:Lumen Learning (英語)

オレゴン州に拠点を構えるLumen Learningは、OER (open educational resource)を活用することにより教材費を削減し、学生の学習効率を高めるための取組みを実施している。既に米国の4つの州(下記参照)と提携し、OERを用いた学習環境の改善から学位課程の提供まで幅広い支援をしている。2014年に発表されたHiltonらによる調査によると、同社が支援する教育課程では教材費の75-90%の削減に成功している。

メリーランド州
メリーランド州立大学機構(USM)の学術イノベーションセンターと学生カウンシルが共同実施しているメリーランドオープンソース教材事業を支援。同事業は学生の教材費負担削減を目的。教員らにOERの効果的な導入と、Lumen Learningが開発したオープン教材のカスタマイズのための指導を実施。
オレゴン州
オレゴン州のコミュニティカレッジ教職員向けの研修を実施。OERの認識向上、学生が成功しやすい環境づくりのための事例紹介のほか、教員に対する履修者の多い科目でのOER活用指導を実施。
ワシントン州
ワシントン州コミュニティカレッジ・テクニカルカレッジ機構(SBCTC)と共同で、18のコンピテンスベースのオンライン講座を開発し、廉価で短期間で経済学編入資格(transfer degree)が得られる課程を新設。2015年1月開講予定。
ヴァージニア州
ヴァージニア州コミュニティカレッジ機構(VCCS)のOER導入支援プログラムとして、同機構所属23機関の教員にOERを用いた科目と学位課程の開発に対する助言を実施。OERを用いたパイロット科目は2014年秋から開講。

なお、2014年9月にはLumen Learningの取組みがゲイツ財団による総額2,000万ドルの競争的資金「次世代教材チャレンジ(Next Generation Courseware Challenge)」に選定された。ビジネス入門、マーケティング理論、マイクロ経済学、マクロ経済学の4講座が、低所得など弱者層の学生を支援するための廉価で模範的な取組みとして公開されることとなっている。

※OER: Open Educational Resource
公共利用またはオープンライセンスのもと提供されている教材を指す。OERは誰もがいつでも合法に使用、再掲載、引用、共有することができる。OERとして利用されている教材には教科書、カリキュラム、シラバス、授業ノート、レポート、試験、課題、音声、ビデオ、アニメーション等がある。(欧州委員会より)
(概要まとめ:評価事業部国際課)
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