新たなテクノロジーを高等教育へ導入するための15の提言

原典:欧州委員会(英語)
報告書:Report to the European Commission on new modes of learning and teaching in higher education(英語)

2012年9月に発足した高等教育改革のためのハイレベルグループ(本サイト2013/1/15投稿記事)(議長:メアリー・マッカリース前アイルランド大統領) は、2014年10月に第2弾となる報告書を発表した。この報告書は、「高等教育での新しい学習・教育手法」(new modes of learning and teaching in higher education)と題され、最新のテクノロジーを活用することで高等教育の質を高めるための15の提言(下記参照)がまとめられている。

同グループは2013年6月に、高等教育機関の教学面での質向上のための提言書(本サイト2013/8/6投稿記事)を発表している。

<最新テクノロジーによる高等教育の質向上のための15の提言>

  1. 欧州委員会は、EU加盟各国の新しい学習・教育手法の導入と普及を進める国レベルの取組みを支援する
  2. 欧州委員会は、エラスムス+事業において、高等教育機関のデジタル化を優先的に支援する。デジタル教育の開発を進める企業との連携にも財政支援する
  3. デジタル技術と教授法を、学内の教学戦略の中に取り入れる
  4. 各国担当機関は、デジタル技能に関するコンピテンス枠組みを、高等教育教員の職業開発枠組みに関連づけながら、導入する
  5. 高等教育に携わるすべての教員は、デジタル技術と教授法に関して、赴任時研修および継続的な職能開発として訓練を受ける
  6. 各国で財政配分を担う機関は、教育機会の拡大、柔軟な教育提供手法の導入、学生層の拡大をする高等教育機関への競争的資金を創設する
  7. 各国担当機関は、国家を超えた新しい学習・教育手法の導入を支援するための基金を創設する。この基金はインフラ整備、教授法の訓練、教育プログラムの提供の連携的取組みを後押しする目的で用いられる
  8. 各国・地域の担当機関は、欧州制度・投資基金(European Structural & Investment Funds)プログラムの一環として、インフラ、技術、技術管理のための支援を行う
  9. 各公的機関は、無償のオンライン学習の質を保証するためのガイドラインを制定し、高等教育でのICTの活用を促す
  10. 欧州委員会は、無償のオンライン学習の質基準を開発する国境を越えた取組みを、エラスムス+事業として支援する
  11. 高等教育機関は、各機関で単位付与を伴う教育提供すべてに適用される質保証制度を運用する。質保証制度の中では学生の修学継続率を管理し、学生に対しては支援制度の紹介を徹底する
  12. 欧州委員会と各国担当機関は、ECTS制度による単位の付与と互換を行う高等教育機関に対する優先的な支援を行う。この取組みは現在のECTSガイドの見直しと連動させる
  13. 政府と高等教育機関は、学習教材の完全なオープン化に取り組む。公的入札でのオープンライセンスの義務化と、公的教材の可能な限り広範な配布を行う
  14. EU加盟国は高等教育機関が学習データの収集と分析を行えるよう法整備をする。必ず学生への説明をした上で完全な同意を得ることとし、データは教育目的のみで使用する
  15. オンライン教育のプラットフォームは、プライバシーとデータ管理のポリシーをユーザにはっきりと分かりやすく通知する。また、各ユーザがいつでもデータを匿名にできるようにする
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