英国HEFCEがREF2014の評価結果を発表

原典:イングランド高等教育財政カウンシル(HEFCE)(英語)

イングランド高等教育財政カウンシル(HEFCE)は2014年12月17日に、英国の大学を対象とした研究評価の枠組みであるREF(Research Excellence Framework:研究卓越性枠組み)の結果を発表した。

REFは、英国の大学の研究予算について、研究の「質」に基づき選択的に配分するための定期評価の枠組みである。評価結果に基づいて、年間総額20億ポンドに上る研究予算が各大学に配分される。元々英国では、研究評価制度として2008年までRAE(Research Assessment Exercise)が稼動していた。RAEの制度見直しを経て、REFとして最初の評価が実施され、今次の結果発表に至ったものである。

154大学が参加、5万人以上の研究を評価

今回の評価には、英国の154大学が参加した。評価にあたっては、専門分野が36に区分(※)され、各区分には、当該分野の専門家がレビュワーとして配置された。大学は、36の分野区分のうち、どの評価を受けるか自ら選ぶ仕組みである。154大学から累計で約52,000人の研究実績が提出され、1,100名を超えるレビュワーによって評価を受けた。

※36の区分は、「1.  Clinical Medicine、2 – Public Health, Health Services and Primary Care、 3 – Allied Health Professions, Dentistry, Nursing and Pharmacy、・・・」という形で、単一または類似分野でまとまっている。区分ごとに評価を受けるため、REFではこれを「Unit of Assessment:UOA」と名付けている。36区分の一覧は、HEFCEウェブサイトの評価結果検索ページを参照。

評価の視点は3つ、評価結果は4段階

評価の視点は、「Output」(65%)、「Impact」(20%)、「Environment」(15%)の3点。評価結果は、4*= World-leading、3*=Internationally excellent、2*= Recognised internationally、1*= Recognised nationallyに区分され、( )で示した各視点の重み付けを付加して、評価単位ごとに結果が与えられる。

  • Output:研究の成果物。論文や書籍など。1人の研究者につき4件の成果物を提出。
  • Impact:従前のRAEにはなく、今回新たに導入された視点。大学は、研究が及ぼした社会、経済、ほかあらゆる事物へのインパクトについて、ケーススタディレポートや将来のインパクト戦略を、受審する分野区分ごとにまとめて提出。
  • Environment:研究戦略、研究支援や研究による収入について、受審する分野区分ごとに提出。

評価結果総括

  • 3つの評価視点をあわせた総合結果では、全体の30%が「4*」、46%が「3*」
  • Outputsにおいては、前回(2008年)のRAEと比べて、その質の目覚ましい改善が明らかに。今回「4*」を全体の22%が獲得(前回より8%上昇)
  • Impactにおいては、全体の44%が「4*」、Emvironmentにおいては全体の45%が「4*」を獲得

今回の結果について、HEFCEの会長であるMadeleine Atkins教授は、「今次のREFの結果は、英国の大学が、国際的に競争的環境においても世界のトップに位置していることを証明するものである」と語っている。

なお、今回の評価結果は、英国の各行政地域の財政カウンシルが、2015~2016年度における大学への研究費配分に活用することとなる。

参考
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