オランダの研究評価について – 標準的評価プロトコル(SEP)の見直し

原典:オランダ科学研究機構(英語)
参考:国立研究開発法人 科学技術振興機構(日本語)

オランダの研究評価は、6年に一度実施される。評価を行うのは、各大学が任命する独立の国際的なピア・レビュー委員会である。評価の手順・評価の基準については標準的評価プロトコル(Standard Education Protocol 2015-2021)に記載されている。2014年の評価の項目・基準は以下の通り(2014年8月現在)。

  • 研究機関に対する全体的な評価・研究グループの質
  • 生産性
  • 実現性
  • 妥当性

※当研究評価には博士課程も含まれる。

●標準的評価プロトコル(SEP)について
研究評価における評価の手順、基準が記載されている。オランダ王立芸術科学アカデミー(KNAW)、オランダ科学研究機構(NWO)、オランダ大学協会(VSNU)が策定する。当プロトコルは独立した専門委員会による定期的な見直しが行われている。SEPは、研究大学及びNOWとKNAWに属する全ての研究機関に適用される。

●SEPの見直しの経緯
2014年3月21日、オランダ王立芸術科学アカデミー(KNAW)、オランダ科学研究機構(NWO)、オランダ大学協会(VSNU)が、2015年から2021年まで有効な標準的評価プロトコル(SEP)を教育・文化・科学大臣へ提出した。

●新たな評価基準
SEPによる新たな評価基準は、「科学の質」、「社会との関連性」、「実現可能性」である。全体的に「作業(work)」の質に重きが置かれ、現在の評価 基準に存在する「生産性(productivity)」は独立した基準から除外されている。このことは、「量が多いことが必ずしも良いことではない」との明確なシグナルを発している。また、SEPでは科学分野における研究と誠実さの関連性を重んじることを研究機関に求めている。

●「社会との関連性」とは
「社会との関連性」は、以下の観点から評価される。

  • 学術誌、著書、論文、その他データベース、デザイン、試作模型等の研究成果物
  • 上記の成果物の使用状況、例えば研究文献からの引用率、ソフトウェアツールの使用、科学者や他の利益集団からの科学的インフラストラクチャ―の使用
  • 科学界や社会から認められている証拠

●「研究の誠実さ」とは
以上の評価基準に加えて、SEPは新たに研究機関に対し、科学的誠実さを担保するためのポリシーを提出するよう求めている。研究大学において近年生じている違法行為を踏まえ、KNAWとNOWは誠実さのポリシーを厳しく求めており、研究データの適切で公開された使用に大きく注意を向けている。このような変化から、研究機関は適切で正直な科学の研究への要請の認識をより強く期待されている。

●博士課程の学生について
博士課程の学生への監督も、新たなSEPに盛り込まれている。訪問調査時に、この項目に対し改善がなされているか確かめられる。

カテゴリー: オランダ, 質保証制度関係(オランダ) タグ: , パーマリンク