2016年4月、教育部学位・大学院教育発展センター(CDGDC)は大学などの各学位授与機関に対し、「全国第4サイクル学科評価への招待状」を通知し、第4サイクル学科評価(分野別評価)が始動した。2004年に始まった学科評価は大学院レベルの各分野を対象とし、任意受審となっているが、受審機関は各サイクルごとに増加している※。
評価指標
CDGDCは、2013年に中国学位・研究生教育学会に対し「学科評価指標体系研究」を委託し、2014年から第4サイクル学科評価の新たな評価指標構築に向けた改善作業を開始した。全国の大学、地方政府の教育関係者、関連の機関などから幅広く意見を聴取し、議論を重ね、新たな評価指標では、主に次のような改善が加えられた。
学科(学問分野)の分類の強化
- 第3サイクルでは対象となる全ての分野について1つの指標によって評価していた。これを改め、第4サイクルでは、全分野を9つに(1.哲学・文学・歴史、2.経済学・法学・教育学、3.理学・工学、4.農学、5.医学、6.管理学・統計学、7.芸術学、8.体育学、9.建築学・都市計画学・造園学)分類し、それぞれの特徴に合わせた9つの指標体系を設計した。例えば、理工系の分野では特許の実用化、医学系の分野では特許の実用化と新薬の開発、芸術分野では、創作・パフォーマンス、建築分野では、建築デザイン賞などが指標に盛り込まれている。
定量的評価と定性的評価のバランス
- 従来の数値による定量評価偏重を改め、専門家による定性的評価方法を大幅に取り入れた。
「質」の重視
- 人材育成の質を重視し、育成プロセスの質、在校生の質、卒業生の質の3つの観点で評価を行う。
- 卒業生の雇用機関へのアンケート調査を導入し、より総合的に卒業生の進路状況を把握する。
- 教員の質評価では、中核となる教員の年齢構成、国際化の状況、持続的発展能力などを含む総合的な質評価を取り入れた。
- 指導教員の質については、在校生に対してアンケート調査を行う。
社会サービス・貢献
- 社会サービス・貢献という指標を新たに加えた。各地域における、様々なタイプの学科それぞれの特徴を発揮した社会貢献を指標化することで、同一尺度による評価を克服して「同質化」を避ける。
評価手順
評価の手順は、主に資料提出、資料の検証、学生・雇用機関へのアンケート調査、専門家による協議、学科の評判調査、結果の集計、発表であるが、それらは主にCDGDCのウェブサイト上の「学科評価システム」を使用して行う。
学生・雇用機関へのアンケート調査
- 各学科から提出された在校生及び卒業生の就職先の担当者の情報を基にCDGDCが直接オンラインアンケートを実施。
学科の評判調査
- CDGDCが「学科の同業専門家」と「業界企業の専門家」を招き、学科の評判を調査する。学科の同業専門家は評価参加機関から同人数を選出し、業界企業の専門家は、企業から選出する。一部の学科については、試験的に国際的な教育評価機関に委託し、国際的な評判の調査を行う。
評価分析サービス
学科評価の結果発表後、CDGDCは有償で、参加大学、地方レベルの教育行政機関及び中央政府の関係部門にそれぞれのニーズに合わせた分析報告サービスを行う。
※評価参加数の推移:
第一サイクル(2002年-2004年) 299機関、1366学科
第二サイクル(2006年-2008年) 331機関、2369学科
第三サイクル(2012年) 391機関、4235学科