QAAが、欧州高等教育圏の残留支持の立場を表明

原典:英国高等教育質保証機構(QAA)(英語)

英国高等教育質保証機関(QAA)が、2016年8月1日に、今年6月のEU離脱に係る国民投票の結果を受け、今後の英国及び欧州高等教育圏(以下、EHEA:European Higher Education Area)との関係とQAAの立場について述べた声明(「QAA Viewpoint: Post EU-referendum – QAA’s view on the UK and the European Higher Education Area(全2ページ)」)を発表した。

この声明が発表されたことの背景には、英国がEU離脱を決定し、高等教育セクター内に今後のEHEAとの関係について懸念が広がっていることがあげられる。

QAAは、声明の中で、英国がこれまでEHEAの一部としていかに恩恵を得てきたかに触れ、現在、EHEAに多くの非EU加盟国が参画していることから、離脱後も引き続き、英国はEHEAの一員に成りうるとし、離脱に係る交渉の際には英国がEHEAに留まり、その支援を継続することが重要であると述べている。

<EU離脱に係るQAAの声明の概要>

  • EU離脱に係る国民投票の結果を見ても、英国の高等教育機関が、欧州の高等教育制度との同等性を有していることはとりわけ重要である。英国外の欧州のライバル校との競争関係が、英国の高等教育機関の地位をより高めていく。
  • ボローニャ・プロセスによる決定は、英国がEHEAに留まるか留まらないかに関わらず、英国の高等教育機関にとって大きな影響を及ぼす。従って、ボローニャ・プロセスに参加し、その政策決定プロセスに関与することは英国の国益となる。
  • ボローニャ・プロセスの一連の取組みが、見習い学位制度(本サイト2015/4/6投稿記事)を初めとする昨今の英国政府の主要政策の実施において重要となる他、欧州における大学レベルでの協定を容易にし、かつ将来的に英国学生がグローバルに活躍することを可能にする。
  • 卒業生の雇用可能性、資格の認証、教育・学習の質の向上といった2015年の欧州高等教育大臣会合で発表された重点事項は、英国政府における重点事項と多くが重なるものである。
  • ボローニャ・プロセスにより支えられてきた欧州統一的な質保証へのアプローチは、国境を越えた教育において、国際的な信頼を確保するために非常に重要となっている。
  • 今後想定される2年間あるいはそれ以上続くであろうEUとの先行き不透明な離脱交渉の中で、高等教育圏やボローニャプロセスへの継続的に関与することを再確認することが非常に重要である。

※なお、欧州高等教育圏やボローニャ・プロセスの詳細については、当機構の国際課のウェブページにまとめていますので是非合わせてご覧ください。

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