MOOCs等に対する質保証―CHEAがEQUIPに質保証機関として参加

原典①:CHEA(英語)
原典②:U.S.Department of Education(英語)

2016年8月、非伝統的教育提供者※1と既存の大学とのパートナーシップによる教育プログラムに対して連邦政府奨学金の支給を行うパイロット事業、EQUIP(Educational Qualuty through Innovative Partnership)に、米国高等教育アクレディテーション協議会(以下、CHEA)が第三者の立場で質保証を行う機関(以下、QAE)として参加することとなった(EQUIPの詳細については、こちら(本サイト2015年11月25日投稿記事))。当該パートナーシップにより提供される教育プログラムを評価するにあたり、CHEAが行うパイロット事業である「クオリティ・プラットフォーム(後述)」における経験を活かすという。

非伝統的教育提供者であるStraighterLine社※2とコミュニティ・カレッジであるDallas County Community College District (以下、DCCCD)は、自然科学(ビジネス分野)と人文科学(刑事司法分野)の2つの準学士プログラムを提供し、全体の75%でコースワークを取り入れるという。これらのプログラムは、テキサス州ダラス郡において大学に在籍しつつも単位未修得である学生を対象としており、学生の学位取得及び就職を補助するものである。

CHEAはQAEとして、StraighterLine社とDCCCDのパートナーシップにより提供されるこの教育プログラムに対し、第三者としてその質を評価(レビュー)及びモニタリングし、学習成果について両者に責任を課す。EQUIPにおいては、CHEAのほか、米国教育協会(American Council on Education)やQuality Matters※3がQAEとして参加している。

またCHEAは、EQUIPでQAEとして質保証を行うにあたり、自らがパイロット事業として行っているクオリティ・プラットフォームでの経験を活かせるとしている。クオリティ・プラットフォームとは、MOOCs(NIAD-QE国際課まとめ)など革新的な形態で教育を提供する高等教育提供者に対し、学生が中心的に学習したことに焦点を当てその成果を基準として質評価を行う活動である。CHEAはすでに、中国においてこの事業を行っている(クオリティ・プラットフォーム提供者第1号の詳細については、こちら(本サイト2016年2月25日投稿記事))。

親和性のある両パイロット事業の協力により、MOOCsなど革新的な形態の高等教育に対する質保証について、アクレディテーション機関や質保証機関が活用できるような実績の積み上げが期待されている。

※1 非伝統的教育提供者:MOOCs、ブートキャンプ型研修、企業研修などといった、革新的な形態で教育を提供する高等教育提供者。
※2 StraighterLine社:低価格・オンラインで高等教育を提供する米国の企業。
※3 Quality Matters:オンライン教育の質を保証するためのピア・レビューを提供する非営利組織。
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