欧州:エラスムス+ 起業家精神や就業経験を組み入れた高等教育を目指す事業が始動

EUの中心的な教育資金助成プログラムであるエラスムス+(参照:NIAD-QE国際連携ウェブサイト)のもと、2017年1月から開始された「起業家精神や就業経験を組み入れた高等教育を目指す事業(Integrating Entrepreneurship and Work Experience into Higher Education: IEWEXHE)」の第1回会合が3月24日から25日にかけてオランダのグローニンゲン大学において開催された。

1.IEWEXHEの概要

この事業は、グローニンゲン大学など10の組織(高等教育機関、中小企業、商工会議所等)によって7か国(英国、オランダ、ドイツ等)で実施されている。高等教育機関での就業経験係る取組の現状を分析し、ワーク・ベース学習に関する12のモジュールや、マネジメント、質保証、学習成果、投資、アクレディテーションに関するガイダンスを作成することで、①大学や企業の職員の能力・コンピテンスの向上、②ECTS(参照:NIAD-QE国際連携ウェブサイト)や効果的な質保証を通じた就業経験の認定の支援、③ワーク・ベース学習の実施方針の見直しや開発支援を行い、雇用者が求める技能に対する理解を深めることを目的としている。

2.IEWEXHEの質保証に関するENQAの役割

この事業において、欧州高等教育質保証ネットワーク(ENQA)は「内部質保証」に係る作業を担当し、欧州委員会教育・視聴覚・文化執行機関(Education Audiovisual & Culture Executive Agency: EACEA)に対し、質保証報告を行う役割を担う。

また、IEWEXHEの参画機関間の連携・調整や、質保証に関するウェブベース学習についてマッピングする任務を負う。具体的には、事例研究やインタビューといった方法で、ENQA加盟国についての調査や質に関する分析を行う。さらに、この事業の普及活動(ウェブページによる広報、eジャーナルの支援、イベントへの参加等)を行うことになっている。

3.IEWEXHEに係る第1回会合:達成までのアプローチを検討

第1回会合では、ENQA、大学産業改革ネットワーク(UIIN)、ミュンスター応用科学大学等の代表者により、IEWEXHEの目的、各作業及び作業目安について話し合いがなされ、特に「就業経験の調査及びマッピングの実施例」に係る作業を中心に議論がなされた。この作業については、今後、7か国での高等教育における就業経験の実施に関する国別報告書が提出される見込みであり、その後、質保証機関からの報告書等と合せて最終報告書が作成される見込みである。

4.高等教育機関の育成する人材と労働市場ニーズのミスマッチへの対応

欧州では、高等教育機関が輩出する人材と労働市場のニーズのミスマッチに関する議論が高まっている。このギャップを埋める試みとして、例えば、英国では学士号または修士号が取得可能な見習い制度が創設されており(本サイト2015/4/6投稿記事)、現在その需要が高まっている(本サイト2017/4/5投稿記事)

ワーク・ベース学習:職業上・業務上の行動ベース又は反射的な学習を通じて、知識、スキル、能力を得る学習のこと。高等教育におけるインターンシップ、見習い制度、起業家精神の涵養など。

原典: WEXHE(英語)

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