2017年2月、オーストラリア高等教育質・基準機構(TEQSA)は、国際連携戦略“International Engagement Strategy 2016–2020”を公表した。
本戦略は、オーストラリアの高等教育の質保証と国際的な評判の保護というTEQSAのミッションに基づいている。また、2016年4月にオーストラリア政府が発表した国際教育に関する国家戦略“National Strategy for International Education 2025”(本サイト2016年6月28日掲載記事)に沿ったものとなっている。
戦略における3つの目標
- オーストラリアの国境を越える教育の質保証
- オーストラリアの国境を越える教育活動及びイノベーションの支援
- 質保証のためのネットワーク構築と連携
各目標について、活動(Activities)とそのための行動方針(Actions)及び実現のための手段(Measures)が定められている。
主な内容
- 国境を越える教育の提供を支援するためのツールやガイダンス資料を開発する。
- 国境を越える教育の提供に対して、パートナー機関と連携した評価の試行、評価プロセス及び手法の開発、規制重複の削減に取り組む。
- パートナー機関との覚書をQACHE(Quality Assurance of Cross-border Higher Education)の国境を越えた高等教育の取組に関する原則(本サイト2016年6月18日掲載記事)に則った更新を行うとともに、パートナー機関とのスタッフ交流を実施する。
- 国際的な質保証プロジェクトへの参画、フォーラムの誘致等を行い、国際的な議論をリードする。
- オンライン教育の質保証において、APECでの取組みを主導する。
TEQSAのCEOであるAnthony McClaran氏は、TEQSAの質保証と規制の取組みは、オーストラリアの高等教育機関による国際共同プログラムの提供を促進させるとともに、その信頼性を向上させるとコメントしている。
2016年におけるオーストラリアの教育輸出額は218億豪ドルで、2015年から17%増加しており、輸出額全体(約3,300億豪ドル)に占める割合は6.6%となっている。なお、国際貿易センター(International Trade Centre)のデータベースによると、2014年における米国の教育輸出額は308億米ドルとなっている。
原典①:TEQSA(英語)
原典②:TEQSA’s International Engagement Strategy 2016–2020(英語)
原典③:Australian Bureau of Statistics, International Trade(英語)
原典④:Trade Map, International Trade Centre , www.intracen.org/marketanalysis(英語)