研究・高等教育評価高等審議会(以下HCERES)が、2016年の活動報告書「Partenaire de progress Rapport d’activité 2016」を公表した。同報告書では、中期計画「PLAN STRATÉGIQUE 2016-2020」(本サイト2016/8/29投稿記事)の2016年の達成状況や、2015-2016年に実施された評価(Vague B)の実施結果等がまとめられている。
中期計画(2016年~2020年)の達成状況
HCERESは、中期計画において、以下9つの戦略を挙げている。このうち、2016年に遂行した項目を箇条書き(●)で示す。
1. HCERESによる被評価機関への貢献強化
●理事会において評価憲章を採択
●当戦略に関してステークホルダーから意見聴取
2. 倫理的で質の高い評価の促進及びピアレビューシステムの統合
3. HCERESの独立性の確立及び関係機関におけるHCERESの立場の明確化
●機関間の意見交換の場を設置
●関連省庁・機関と協議のうえ、HCERESのビジネスモデルの改善
4. 学術共同体の評価を含めた総合評価の実施
●総合評価実施にあたり、各評価部門から評価者を集め、部署間横断プロジェクトチームを設置
5. 他の評価機関が行う評価の検証
●機関別評価、教育課程・学位評価及び研究評価における評価方法の検証制度を確立
6. 評価プロセスの簡素化
7. 欧州及び国際レベルでの知名度の向上
●外国の機関別評価や教育課程・学位評価のための評価方法・基準の策定
8. OSTの最大限の活用
9. 学術共同体の評価を含めた総合評価の実施に即した内部組織体制整備
●学術共同体評価部門(DECT)の設置
2015-2016年実施の評価(Vague B)
Vauge Bにおいては、以下の評価を実施した。※()内は評価実施数
1. 学術共同体評価…学術共同体(3)
2. 機関別評価…大学(19/うち2大学は合併、4大学は外国の大学)、公立・私立学校(28)※、研究機関(2)
3.教育課程・学位評価…博士学院(31)、学問領域(74)、プログラム(1,171/うち学士課程(293)、修士課程(467)、博士課程(324)、学士課程相当(37)、博士課程相当(50))
4. 研究評価(389)
※フランスの私立高等教育機関が国からの財政支援を得るためには、国による認証を受け、5年ごとに戦略及び資源・財源に関する契約を国と締結しなければならない。今回HCERESが評価した私立高等教育機関は、国と同契約を交わしている機関のみが対象となっている。
原典:HCERES(仏語)