中国:海外留学生受入数がアジアトップの48.92万人に

中国教育部の発表によると、中国の高等教育機関における2017年の海外留学生受入数が2年連続で10%増を記録し、48.92万人に達した。このうち、正規教育を受ける留学生数は24.15万人となっている。(2017年 日本の高等教育機関における外国人留学生の在籍数は約18.8万人)

中国政府は、2010年に発表した「国家中長期教育改革・発展規画綱要(2010-2020年)」において、国際協力の強化、教育交流、教育協力の展開を通じて、中国の教育改革・発展を推進するとの方針に基づき、教育部が「留学中国計画」※1を策定し、2020年までに、留学生受入数50万人の目標を掲げた。多くの海外留学生を中国に受け入れることにより、将来世界各国において、中国をよく知り中国に親近感をもつ海外の人材を増やす狙いがある。

表1参照。

「留学中国計画」

この目標に向け、教育部は中国政府奨学金の拡充※2、英語による授業を行うプログラムの開設、留学生の受入れ環境の改善などを行い、中国留学の魅力づくりに努めてきた。また、世界各国にある中国の在外公館や、孔子学院を利用して広報・留学生誘致活動を行ってきた。
22017年には約58,600人が受給しており、前年の2016年の約49.800人に比べ約2割増加している。

その結果、目標を上回るペースで受入れ規模が拡大している。特に、過去においては語学留学が主流であったのに対し、正規留学の占める割合が大幅に増加している。また、2017年の修士・博士課程の在籍数は約7.58に上り、前年に比べ、18.62%増を記録している。専攻分野については、文系が依然として最も多く、全体の48.45%を占めているものの、特徴的なのは、工学、経営管理学、理学、農学、芸術分野が全て前年に比べ20%以上増加していることである。

法整備の面でも、2017年3月に教育部、外交部、公安部が共同で海外留学生に係る募集、育成、管理、奨学金等について定めた「海外留学生の招致・育成に関する管理方法」(原語:学校招收和培养国际学生管理办法)を発表し、7月から施行した。

留学生教育の質保証についても、中国教育国際交流协会が教育部国際司の委託を受け、2015年から留学生教育の質認証(試行)(原語:来华留学质量认证)を実施している。これは留学生教育の質向上を目指すものであり、第1期28校、第2期35校が既に認証を受け、2018年には、第3期として31校が受審している。

また、従来全ての外国人の中国における就労については、2年以上の実務経験が義務付けられ、留学生が卒業後中国に残って就職する機会が事実上厳しく制限されていたが、2017年1月に教育部及びその他の部門から共同で出された「外国籍優秀卒業生の就職に関する事項の通知」(原語:关于允许优秀外籍高校毕业生在华就业有关事项的通知)により、一部の優秀な卒業生に対して条件付きで就職の門戸が開かれた。近年中国への留学が増加しているアジア・アフリカの国々からの留学生にとって、給与水準が自国のそれより高い中国での就職の機会は魅力的なものになるとみられる。

この他、2015年から、一部の地域で限定的に留学生のインターンシップ、起業、パートタイムの就労が段階的に認められるようになるなど、留学生のニーズに配慮した措置が取られ、規制が緩和される方向にある。

中国に留学している海外留学生のうち中国での就職を希望している学生も多く存在するという調査結果もあり、こうした規制緩和により、中国への海外留学生がさらに増加する可能性がある。

「留学中国計画」目標

表1                                    中国教育部の「留学中国计划」及び教育部の文書「来华留学工作向高层次高质量发展」に基づき当機構にて作成

一帯一路国家戦略

海外留学生を出身国別にみると、1位が韓国で以下順に、2位タイ、3位パキスタン、4位アメリカ、5位インド、6位ロシア、7位日本、8位インドネシア、9位カザフスタン、10位ラオスとなっている。「一帯一路」沿線国出身者が31.72万人と全体の64.85%を占め、増加率は他の国を上回っており、「一帯一路構想」の国家戦略※3の狙いが反映された結果となっている。
3当機構QAUPDATESの記事「中国共産党中央弁公庁と国務院が教育の国際化に関するガイドラインを発表」を参照DATEの記事参照。

今後の課題

海外で学ぶ中国人留学生の数は、2017年には60万人(前年比11.74%増)を突破し、その7割以上が正規留学で修士・博士課程への留学が35.1%を占めている(2016年)。これに対し、海外留学生の中国への受入れ規模や、正規留学、修士・博士課程への留学はまだそれに達しておらず、学生のモビリティーのバランスが取れていないとされている。

教育部国際合作与交流司の担当者によると、留学生受入れで世界の上位を占める国々に比べ、中国の留学生の受入体制は、大学間や地域間の格差、コースレベルの質、留学生サポートサービス・管理等といった面でなお課題が存在し、改善の必要があると報道されている。

教育部

中華人民共和国中央政府

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