中南米:ラテンアメリカ・カリブ海地域の資格承認条約が改訂される

2019年7月13日、ラテンアメリカとカリブ海諸国は、高等教育資格等承認の地域規約(ブエノスアイレス承認規約)の改訂に関するユネスコ主催の会議を開催し、最終案を全会一致で採択した。
会議にはユネスコ加盟国24か国とオブザーバーとして15の組織の参加があり、採択に続いて13か国が署名した。発効には今後4か国以上の締結が必要となる。

ユネスコは1970年代から1980年代にかけて、6地域(アジア太平洋、欧州、アフリカ、中東、地中海、ラテンアメリカ・カリブ海)で資格承認に関する地域規約の設立を促進した。1997年以降には、各地域で条約の見直しが行われ、2019年7月末時点で、地中海、中東地域以外の4地域の規約が改訂されている。
日本はアジア太平洋の地域規約である東京規約を2017年12月に締結(本サイト2017/12/26投稿記事)し、同規約は2018年12月に発効(本サイト2018/3/15投稿記事)している。

ラテンアメリカとカリブ海地域に関しては1974年に最初の地域規約が採択され、同規約の見直しは2015年から始まった。改訂にあたっては、1974年時点からの高等教育の発展を考慮し、新世代の資格承認規約としてすでに発効していたリスボン承認規約を参照したとみられる。具体的には、実質的な相違(Substantial Difference)がない限り、高等教育機関は学生の資格を適切に承認すべきという概念やディプロマ・サプリメントといったボローニャプロセスで誕生したツール等が規約改訂案の中で触れられている。改訂案の作成に際しては、2016年から2018年にかけて4回にわたる専門家会合が行われ、政府間意見聴取は2回行われた。改訂規約は2019年9月末に公開される見込みとなっている。

今回の改訂規約は、2019年に行われるユネスコ第40回総会(General Conference)において採択が見込まれる世界規約とのシナジーを狙うものともなっている。

アルゼンチン、ベリーズ、ボリビア、コロンビア、コスタリカ、グレナダ、ホンジュラス、ジャマイカ、ニカラグア、パナマ、ペルー、バチカン、ベネズエラ


原典:UNESCO(英語)
原典:IESALC(UNESCO International Institute for Higher Education in Latin America and the Caribbean)(英語)
参考:PRELIMINARY REVISION OF THE 1974 REGIONAL CONVENTION ON THE RECOGNITION OF STUDIES, DIPLOMAS AND DEGREES IN HIGHER EDUCATION IN LATIN AMERICA AND THE CARIBBEAN (1974)(英語)

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