日・EU両政府が共同で900万ユーロ相当を支援
両地域での学習が必須の共同修士課程
修了時にはジョイント・ディグリーまたはダブル・ディグリーを授与
欧州委員会は2019年7月31日に、文部科学省と欧州委員会の間の合意(本サイト2018年8月17日掲載記事)にもとづく共同修士課程として3つのプログラムを採択したことを発表した。採択されたのは日本とEU圏内の大学が共同で開発した以下の修士プログラムで、学生は日欧両地域の大学で学ぶ。また、プログラムの開発には大学のほかに産業界も協力している。
- 採択プログラム:
- 近未来クロスリアリティ技術を牽引する光イメージング情報学国際修士プログラム(東フィンランド大学、豊橋技術科学大学、ほか)
- Japan-EU高度ロボティクスマスタプログラム(JEMARO) (ナント中央学校、慶應義塾大学、ほか)
- 歴史と公共圏を鍵概念として日欧相互理解を深める国際人材育成プログラム(中央ヨーロッパ大学、東京外国語大学、ほか)
採択プログラムは、 欧州ではエラスムスプログラムとして、日本では文部科学省の大学の世界展開力強化事業として採択された。 欧州委員会と文部科学省は同額ずつ財政支援を行う。2018年秋の募集では10件の申請があり、採択された3プログラムには合計900万ユーロ相当が助成される。また、合計64名の学生に対する奨学金も用意されている。
EUでは、エラスムスプログラムに代表されるように国を越えた共同学位課程の開発が盛んである。2018年には、欧州委員会が次期(2021-2027年)プログラムに対する予算を現行から倍増することを決めた(本サイト2018年7月2日掲載記事)。一方、日本では2014年から日本の大学が国際連携教育課程を設置し、外国の大学との共同学位を授与できるようになった。
エラスムスプログラムは、複数地域での学習が必須となっており、採択プログラムは共同学位(ジョイント・ディグリー)または複数学位(2大学の場合はダブル・ディグリー)を授与しなければならない。今回の3プログラムのうち、東京外国語大学のものはダブル・ディグリーの授与が明らかになっている。