アメリカ:「学生を最優先」にしたACT試験の3つの改革が大学入試にもたらす変化

ACTに2020年の試験から3つの変更点

教科選択式の再受験、CBT試験、自己ベストを並べた成績表の導入を発表

アメリカだけでなく世界112の国・地域で試験が行われている

アメリカで広く大学入学のために用いられる共通試験ACTに、2020年の試験から3つの変更が加わることが、2019年10月8日に発表された。試験を運営するACT社によると、今後は教科ごとの再受験と全国的なオンライン受験が可能になり、複数回受験した場合に最高点のみをまとめた「スーパースコア」が志望大学に送られるようになる。これらの変更は同社が「学生を最優先」にした結果であるとデランへ最高顧客責任者は述べている。

ACTは主にアメリカの高等教育への進学準備度を測る試験を行っている。アメリカ国内のほか、世界112の国・地域で試験が実施され、日本では東京・福岡・沖縄の3都県に会場がある。試験は選択式の必須4教科(英語、数学、読解、科学)に加え、希望者は小論文も追加できる。成績は36点満点で表示され、高等教育での1年次の成績を予測する指標も公開される。今回発表された変更点は以下の通りとなっている:

  1. 選択式再受験
    これまでACTを再受験する場合は、すべての教科を受ける必要があった。しかし、今後は教科ごとの選択が可能となり、受験者は英語、数学、読解、科学、小論文の中から受けたい教科を選べるようになる。

  2. オンライン受験
    これまでACTのオンライン受験は試験的にのみ行われてきたが、今後は通常の一斉試験でもオンラインか紙の試験かを選べるようになる。ただし、オンライン試験であってもACTの試験会場で受験する必要があり、日本でCBT*1といわれる試験方式に近い。オンライン試験の場合は結果の通知が受験2日後に行われ、これまで約2週間かかっていた結果発表までの期間が大幅に短縮される。

  3. スーパースコア
    これまでACTを複数回受験した学生が大学出願時に試験の成績を使う際は、受験した日を1つだけ指定することしかできなかった。しかし、今後は教科ごとに最も良かった成績のみが通知されることになる。ACTの調査によれば、この方法が学生の将来の学業成績を最も的確に予測できるものであった。

他国の共通試験

日本では大学入試センター試験の成績を用いた大学への入学者選抜が行われている。同試験は選択式問題が6教科から出題されるが、1教科から受験が可能であり、受験料は2教科以下と3教科以上の2段階設定となっている。一方で、ACTで導入されているCBT方式の試験と複数回受験は、2020年度より同試験に替わって導入予定の大学入学共通テストにおいて、2024年度以降の実現可能性が検討されている

一方、ドイツでは大学入学資格アビトゥアを得るための試験が行われている。アビトゥア試験は4または5教科で行われ、受験方法は筆記または口述となる。この試験の成績と後期中等教育での成績を総合し、一般大学入学資格の授与が決まる。

*1CBT: computer-based testing

原典:ACT (英語)

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