外国大学の日本校として、上海大学東京校が新たに指定される

文部科学大臣が上海大学東京校を外国大学日本校として指定

修了者は日本の大学卒業者と同等の進学資格を得る

世界各国で国境を越えた教育への規制が進む

文部科学省のウェブサイトによると、2019年6月28日に上海大学東京校(東京都新宿区)が外国大学日本校としての指定を受けた。対象課程は同校の中国語学部中国語学科。この指定により、同科の修了者は学校教育法施行規則第155条第1項第4号の規定にもとづき日本の大学院入学資格を有することになった。

上海大学は1994年に上海市にあった4つの大学を合併する形で中国教育部と市によって設立された。東京校は2019年4月より学生を受け入れている。上海大学によると、東京にある日本語教育機関であるフジ国際語学院と共同で上海大学東京校の運営を行うとしている。

文部科学大臣による外国大学日本校の指定により、取得した学位は日本の学位と同様に、大学への編入学や大学院への入学資格となる。また、修得した単位を用いた日本の大学との単位互換も可能になる。

指定のための前提要件

現在、日本校の指定を受けているのはカナダ、中国、ロシア、アメリカの4か国の計8校。このうち短期大学相当とされているところが3校3課程、大学学部相当が5校7課程、大学院相当が3校8課程となっている。

指定を受けるためには、希望する教育施設は当該国の在日大使館を通じて文部科学省に申請を行う。申請にあたり、

  • 本国の学校教育制度上、海外に分校等を置くことが可能であること
  • 本校が日本校を分校等(外国大学等の一部)であると認めていること
  • 日本校の課程を修了した者に与えられる学位が、外国大学本校のものであること
  • 日本校の課程において修得した単位が、本校のものであること
が前提要件となっている。

各国で行われるTNEへの規制

このように自国内に設置された外国の大学に対しては、各国でもさまざまな形で掌握・規制する取り組みが行われている。アラブ首長国連邦のドバイでは学生の進学先選択を支援する目的で、同地にある外国大学の分校を格付けし公表している(本サイト2019年7月31日掲載記事)。中国では、外国の大学が教育を提供するためには中外共同運営教育として中国政府の認可が必要である。2018年6月時点で2,342件の中外共同運営教育を提供する機関と課程があったが、同年7月に教育機関からの申請によって5つの機関と229の課程が閉鎖された(本サイト2018年10月4日掲載記事)

一方で、大学の本校が所在する国によって、海外分校の教育の質が評価される場合もある。オーストラリアでは、国外で学位課程を提供するすべての高等教育機関に対し、国内同様の基準が適用される(p52参照)。イギリスでは、英国高等教育質保証機構(QAA)が海外の特定の地域で提供される同国の高等教育に対してTNE*レビューを行い、提供されている教育の質を調べている。2015年はカリブ海諸国(本サイト2015年4月17日掲載記事)、2016年はギリシアとキプロス(本サイト2016年5月17日掲載記事)を対象としたレビュー結果が公表された。

*TNE: transnational education

原典①:文部科学省(日本語)
原典②:上海大学(開校式、中国語)
原典③:上海大学(入学式、中国語)
原典④:上海大学東京校(日本語)
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