欧州:不可抗力条項の発動が可能に―エラスムス・プラス

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための措置が各国で講じられるなか、欧州の留学のための奨学金等の助成プログラムであるエラスムス・プラス(Erasmus+)では、学生をはじめ様々な関係者の参加に多大な影響が及んでいる。欧州委員会(European Commission)はこうした状況を踏まえ、2020年3月13日にエラスムス・プラスにおける「不可抗力条項」(”force majeure” clause)の発動を欧州各国のエラスムス・プラス所管当局に許可する旨を発表した。この内容は「Essential practical advice to participants in Erasmus+ and European Solidarity Corps mobility activities in light of the COVID-19 pandemic」にまとめられている。

この条項を発動することにより、各国のエラスムス・プラス所管当局は、採択プロジェクトに対して追加費用を助成金の限度額まで計上することや、各プロジェクトの終了時期を最大12か月延期することなどの措置の検討が可能になる(ただし、プロジェクトの通算実施期間は36か月を超えることは不可)。

新型コロナウイルス感染拡大により、エラスムス・プラスの参加者は自大学から留学先へ渡航できない、また留学先から帰国できないという状況が生じており、先行きが不透明なことを理由に子供を渡航させない保護者も増えている。欧州委員会は、関係法令の範囲内で最大限の柔軟性をもってプログラムを実行するべく、今回の措置を講じたものである。また、欧州委員会は必要に応じて追加的な対策を取る可能性についても触れている。

エラスムス・プラス(NIAD-QE国際連携ウェブサイト)は、2014年~2020年にかけて、最大500万人が他国での学習及び職業訓練教育を受けられるようにするための欧州委員会による助成金プログラムである。現在、当委員会が実施している生涯学習や青少年部門での様々な助成金プログラムを統合し、より統一性と透明性を持たせることを狙いとしている。

参考:日本との関係

文部科学省と欧州委員会の合意に基づき、2019年に日・EU間の大学による3件の共同修士課程プログラムが開始された。欧州側はエラスムス・プラスプログラムとして、日本側は大学の世界展開力強化事業として採択されたものである(本サイト2019/10/4掲載記事)。このほか、日本の学生はErasmus Mundus Joint Master Degrees(EMJMD)取得コースへの留学によりエラスムス・プラスに参加する選択肢がある(参考:駐日欧州連合代表部)。

原典①:欧州委員会 (英語)、原典②:欧州委員会(英語)

Photo by CDC on Unsplash

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