米国:国際化ラボラトリー・プロジェクト

正式名称
ACE Internationalization Laboratory

実施主体
ACE(米国教育協会:American Council on Education)

実施年
2003年~

概略
国際化ラボラトリー・プロジェクトとは、米国教育協会(ACE)が大学の国際化を支援することを目的に実施しているプロジェクトである。毎年ACEは、2か年を実施期間として有償で参加する大学を募集している。2003年のプロジェクト開始以降、160校以上の大学が参加している (2020年現在)。

参加大学はACEと連携して、国際化の推進でリーダーシップを執るチーム(以下、国際化推進チーム)を組織し、国際化の諸活動の現状分析や機関の全体目標を明確化し、国際化を推進するための戦略的アクションプランを策定する。また、参加大学は、自大学のステークホルダーから国際化プロセスに対する理解や支援を引き出すサポート、他参加大学との全体会合への招待、国際化の自己評価や分析、アクションプラン構築に対する支援などをACEから受けることができる。

国際化ラボラトリー・プロジェクトでは、自己評価、訪問調査、ピアレビュー及び最終報告書により、参加大学における国際化推進活動に対する包括的評価が行われる。

▼評価プロセス
1. 訪問調査
各大学による自己評価を支援するため、ACEのスタッフが参加大学を1日間訪問する。当日は、国際化における課題の明確化、目標設定、全学的な支援の構築に向けて、参加大学における国際化推進チームとの打合せやステークホルダーとの会合が実施される。

2. 大学による自己評価
現行戦略や諸活動の評価手法、及び戦略的計画の策定手法が記載された「国際化に関する自己評価ガイド(Internationalizing the Campus: A User’s Guide)」に沿って、参加大学における国際化推進チームが自己評価報告書を作成する。なお、自己評価にあたっての基礎的な視点として、国際化に関する自己評価のための質問集(Questions to Guide the Internationalization Review)が活用される。

3. ACEとの定期的な連絡調整
参加大学における自己評価の実施にあたり、ACEはメールや電話で国際化推進チームを支援する。このほか、自己評価資料の事前レビューや、作成する報告書をより充実したものにするための助言を行う。

4. ピアレビュー・チームによる訪問調査
自己評価報告書の提出後において、ACEのスタッフ及びピアレビューアーが参加大学を1~2日間にわたって訪問する。この訪問調査では、学長、執行部役員、理事会、教員、職員、学生との面談が行われる。

5. ピアレビュー・チームによる最終報告書
ピアレビュー・チームは、参加大学における国際化の状況に対する分析評価及び今後の国際化推進に関する助言を含む最終報告書を作成する。

▼国際化ツールキット
ACEは、大学等の国際化モデルとして、国際化ラボラトリー・プロジェクトの参加大学はじめとした機関から収集した組織方針、プログラム、調査及び情報をツールキットとしてまとめ、公開している。このツールキットは、ACEの国際化・グローバル参画センター(Center for Internationalization and Global Engagement:CIGE)が提唱する「包括的国際化のためのモデル(Model for Comprehensive Internationalization)」における下記6つの観点に沿って整理されている。

  • ・組織的な合意と方針 (Institutional Commitment & Policy)
  • ・リーダーシップと組織構造 (Leadership & Structure)
  • ・カリキュラムと正課外活動 (Curriculum & Co-curriculum)
  • ・教職員に対する支援 (Faculty & Staff Support)
  • ・学生や教職員及びプログラム等のモビリティ (Mobility)
  • ・学内外とのパートナシップやネットワーク (Partnerships and Networks)

原典リンク
https://www.acenet.edu/Programs-Services/Pages/professional-learning/ACE-Internationalization-Laboratory.aspx

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