新型コロナ流行で?アメリカ高等教育の卒業者数が減少

学部(undergraduate)レベルの卒業者数の最新データ(2019年7月~2020年6月)

卒業者の総数は8年前に始まった調査で初めて減少

AssociateとCertificateで2020年4~6月の卒業者が大きく減少

昨年度アメリカの学部(undergraduate)レベルを卒業した学生の数が、National Student Clearighouse* (NSC)によって2021年1月28日に公開された。2019年7月から翌6月にBachelor’s Degree (BA)、Associate Degree (AA)、Certificateのいずれかを取得した学生の総数は約365万人で、2012/13年度の調査開始以来、初めての減少を示した。特に、2020年4月~6月にAAまたはCertificateを取得した学生の数が顕著に減少しており、新型コロナウイルス流行の影響が示唆されている。

NSC研究部門のHule氏らがまとめた報告書によると、2019/20年度に学部レベルの高等教育資格を取得したのは3,650,380人だった。前年度(3,650,514人)と比較して134人の減少となり、前年度比で減少となるのは2012/13年度の調査開始以来初めてとなった。一方、全体のうち今回が初めての高等教育資格取得ではない学生の数は965,062人で、調査開始以来一貫して増加が続いていた。他方、今回初めて高等教育資格を取得したのは2,685,318人で、全体の73.6%を占めた。この初回取得者が全体に占める割合は、調査開始以来一貫して減少が続いていた。

資格の初回取得者の内訳をみると、BA取得者は1,502,986人で8年連続の増加だった。これに対しAAとCertificateを取得したのはそれぞれ737,908人と444,423人で、前年からの減少となった。 初回取得者の資格取得時期を「7-12月」「1-3月」「4-6月」の3つに区分し、資格別に取得者数を分類した結果も公表された(図1)。BAではどの時期区分でも前年より取得者が多かった。一方、AAでは「7-12月」が3,223人減少、「1-3月」が1,066人増加、「4-6月」が27,804人減少であった。他方、Certificate取得者は「4-6月」のみ前年比減となった。

図1:時期区分・資格種別の初回取得者数の推移(過去3年間)
原典②p4より引用

報告書では、新型コロナウイルスの流行以前から初回取得者の中でのAA取得数は減り始めていたが、感染拡大による2020年3月以降のキャンパス閉鎖などにより、その傾向に拍車がかかったとみている。これに対し、Certificateではコロナ禍の影響が顕著に現れており、これまで増加を続けていた初回取得者数が2020年4-6月になり急な減少(前年比-19.9%)に転じた。

新型コロナウイルス流行の各国教育への影響

高等教育資格承認情報センター(NIC-Japan)では、新型コロナウイルス流行が各国の教育に及ぼした影響をまとめている。2020年はインドネシア、バングラデシュ、フランス、イギリスで中等教育の最終学年に行われる統一試験が中止となり、代わりの方法で修了判定が行われた。また、スリランカやタイでは、学校の一時閉鎖も行われた。アメリカではGED (General Educational Development)試験が中止になった州があり、代わりのオンライン試験が用意された。

*National Student Clearinghouse (NSC) 1993年に設立された非営利組織。学生に関するデータを高等教育機関から受け取り、転入学の際の成績情報送付、奨学金受給のための国や州への報告、雇用主等向けの資格・学習歴の検証を行う。調査・研究機能も有する。現在、米国の3,600以上の高等教育機関がNSCに参加しており、99%の学生の情報がカバーされている。

原典①:NSC Research Center
原典②:NSC Research Center

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