連邦政府が「高等教育の規制・監督業務にかかる調査報告書」を公表

原典:オーストラリア政府(英語)

連邦政府は2013年8月5日、「Review of Higher Education Regulation REPORT」を公表した。これは、最小限の業務負担により最大限の質の高い高等教育と透明性を得るための最適なバランスの確保を目的とした調査報告書であり、連邦政府によって委託を受けた、Kwong Lee Dow Ao教授(メルボルン大学前副学長)とValerie Braithwaite教授(オーストラリア国立大学)の2名によってまとめられた。この調査報告書の作成は、2013年5月29日に連邦政府が発表した「高等教育機関の負担軽減を考えた質保証に向けて(Assuring Quality While Reducing the Higher Education Regulatory Burden)」において、アクションプランの一つに掲げられていた(本サイト 2013/9/20投稿記事)

当該調査報告書では、以下11項目の勧告がなされている。

  1. 連邦政府は、規制(監督)機関としての主要業務に専念させるために、TEQSA(オーストラリア高等教育質・基準機構)が担う役割を減らし、TEQSAのコミッショナーの人数や役割・責任の見直しを行う必要がある。
  2. 連邦政府はステークホルダーと協議し、関係部門からアドバイスを受けながら、TEQSAの仕組みを構築する必要がある。
  3. TEQSAはTEQSAの3つの基本方針※1について、公的機関・営利機関・非営利機関といったタイプの異なる機関に対する適用の詳細を説明する必要がある。(これは、法的なガイドラインの策定を通じて実行できる可能性がある。)
  4. TEQSAは、既存のプロセス(補助金・助成金の認可等)が各機関の再登録プロセスの簡素化につながる可能性を認識すべきである。
  5. TEQSAは、TEQSAの主要業務である新規参入機関に対する登録(設置認可)やコースアクレディテーションに要する期間の短縮を優先させる必要がある。(これは、大臣からTEQSAのCEOに対して、人員配置を指示することで解決する可能性がある。)
  6. 連邦政府は、National Code※2、他の規制団体やパートナー等と調整し、規制構造の重複を削減しなければならない。(これは、TEQSAやDIICCSRTE(産業・革新・気候変動・科学・研究・高等教育省)、他の規制団体との覚書締結や取り決めを通じて、立法化できる可能性がある。)
  7. 連邦政府は、AQF(オーストラリア資格枠組)カウンシルといった既存組織の業務を調整し、質の高い高等教育(Tertiary Education)システムを支える体制の見直しを図る必要がある。
  8. 連邦政府は、以下4法の重複を削減しなければならない。(これは、高等教育データ・情報にかかる国家諮問グループ(National Advisory Group an Higher Education Data and Information: NAGHEDI)のような政策諮問グループや高等教育に関する基準を策定する様々な機関等の役割を明確にし、情報共有機能を拡大することによって進めることができる可能性がある。)

    <重複削減対象の4法>
    ①高等教育支援法(Higher Education Support Act 2003)
    ②職業訓練教育法(National Vocational Education and Training Act 2011)
    ③留学生のための教育サービス法(Education Services for Overseas Students Act 2000)
    ④TEQSA法(Tertiary Education Quality and Standards Agency Act 2011)

  9. 連邦政府は、ASQA(オーストラリア技能質保証機関)※3やTEQSAとともに、上記4法の役割を調整する必要がある(法改正を伴う場合、伴わない場合あり)。
  10. 連邦政府は、直ちに対処可能な大学等への照会業務等における業務の重複について、TEQSAとともに対応する必要がある。
  11. 連邦政府は、NAGHEDIの役割をいかに正式なものにできるか、国内唯一の高等教育データ収集機関(national higher education data collection agency)創設の目的をいかに強固なものにできるかについて、できるだけ早く明確にする必要がある。
※1 TEQSAの3つの基本方針

  • 1. 規制の必要性:TEQSAは機関への負担を考慮したうえで、合理的な必要性がある場合のみ権限を行使する
  • 2. リスクの反映:TEQSAは継続的なモニタリングにより的を絞った指導を行う
  • 3. 状況に応じた規制:TEQSAは基準を満たしていない、または将来満たさない可能性のある部分について、権限を行使する必要がある

※2 「登録行政および留学生受入れ教育訓練機関に対する国家倫理網領(National Code of Practice for Registration Authorities and Providers of Education and Training to Overseas Students)」は留学生を保護し、留学生向け教育機関・コースの政府登録制度(CRICOS)の登録機関によって留学生に提供されるコースを管理するために、留学生のための教育サービス(ESOS)法のもと制定された国の一貫した基準

※3 ASQA:高等教育(Tertiary education)のうち職業訓練教育(Vocational Education and training)の規制(監督)を行う国の機関

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