2015年度高等教育関連予算案について

原典:オランダ政府(オランダ語)

2014年9月16日、オランダにおける2015年度予算案が公表された。初等・中等・職業においては約12億ユーロ、高等教育においては約10億ユーロの配分とは別に、教員への奨学金として、1.15億ユーロの予算が割り当てられ、学び直しや個人研修のため、助成と時間が与えられる。

学生に対する奨学金の改革については、2015年度より基礎奨学金が廃止され、貸与奨学金へと移行する。ただし貸与奨学金の返済期間が現行の15年より35年へと延長される。また、現行の制度のもとでは奨学金の受給資格のない30歳以上の学生も、2015年度より貸与奨学金を受給することができる。

※基礎奨学金とは、学業上の一定の条件を満たせば返済義務を免れる、給付型の奨学金のことである。それに対し、貸与奨学金は返済義務が発生する。なお、2014年から2015年にかけて段階的に基礎奨学金が廃止(本サイト2013/11/21投稿記事)される予定であったが、その後国会による審議を経て、2015年度より一括して基礎奨学金が廃止されることとなった。

その他の事項としては、初等・中等教育のカリキュラムの見直し、MBO(中等職業訓練学校)の国際化のための支出(2015年度に約2,500万ユーロ、2016年度以降に約7,500万ユーロの追加)、2015年から2025年にかけての企業による博士号取得者の雇用の促進の産業界への要請、社会人学生の推奨等がある。

国内の関係団体からの見方としては、Interstedelijk Studenten Overleg (ISO:学生団体の一つ)は、基礎奨学金の廃止について「失望した」と述べる一方で、社会人学生の推奨について肯定的なコメントを述べている。

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