ガイドブック「共同教育プログラムのすべて」

コメント(解説)このガイドは、共同教育プログラムを開発及び管理する際に考慮すべき要素を提示したものです。具体的にプログラムを実施する際にも参考となるように作成されているため、外国機関との共同プログラムを考えている方はご参照ください。


正式名称
Joint Programmes from A to Z – A reference guide for practitioners (PDF)

実施主体
JDAZプロジェクトチーム

実施年
2015年

概略

  • JDAZプロジェクトの構成

本ガイドの策定にあたったJDAZ(Joint Degree A to Z)プロジェクトは欧州委員会から資金の一部の提供を受け、2012年10月から2015年4月まで実施された。JDAZのコンソーシアムは、オランダ、フィンランド、オーストリア、リトアニア、ノルウェー、ポーランドの6か国各国のエラスムス・ムンドゥス事務局(EMNS)で構成されている。

  • JDAZプロジェクトの目的

・共同教育プログラムを計画している人、もしくはその他関係者を支えること

・EHEA(欧州高等教育圏)のさらなる発展に資すること

・共同教育プログラムの利害関係者に網羅的な情報源を提供すること

  • ガイドブックの概略

共同学位または複数学位につながる、共同教育プログラム開発について、

・どのようにアプローチするのか、考慮すべき重要な側面とは何か、また、どのような段階においてそれらを考慮すべきか、といった実務的な問題に答えること

に焦点があてられたガイドブックであり、持続可能な共同教育プログラムを開発する際に考慮すべきとされる基本的要素が盛り込まれている。 なお、ガイドの提案は、学士課程、修士課程、博士課程それぞれに向けてなされている。 当該ガイドブックは、全9章で構成されているが、その中でも特に共同教育プログラムの計画を考えている人にとって有益となる章の概要について以下で紹介する。

  • 章の概要

第5章 共同教育プログラムの開発
共同教育プログラムの開発から大学や学生が得ることのできる利点、パートナーの選定基準、プログラムの財源を確保するためのヒント、プログラムを実施する際における学生と教員の動き、協力協定の内容に関する助言等、プログラムの実施に有益となることが書かれている。

第6章 共同教育プログラムの管理
実施した共同教育プログラムの管理方法のモデル、資金管理から授業料や事務手続き、成績等、大学運営に欠かせない情報について書かれている。

第7章 質保証
質保証に関して、共同教育プログラムを計画する段階で、参加大学は追求する質を定義づけを行う等、基礎的事項から取り組むよう提言している。加えて、欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン(ESG)やエラスムス・ムンドゥス質保証(EMQA)、さらには卒業生のフィードバックを活用することが、質保証を機能させる上で有用であるとしている。

第8章 共同教育プログラムの学位認証
共同教育プログラムが周知されていないことによりプログラムで取得した学位が就職や進学の際に認定されない、といった不利益を学生が被ることのないよう、プログラムを設計する段階で認証について考えておくよう提言されている。加えて、具体的に実施する段階において考慮すべき点が提示されている。

第9章 共同博士プログラム
学士・修士の共同教育プログラムとの差別化を図るために設けられ、どのような付加価値がつくか説明されている。

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