国際的な学生流動の現状―留学生数は過去25年で3倍以上に

原典:ICEF Monitor “The state of international student mobility in 2015”(英語)

ドイツに本拠を置く国際教育業界のシンクタンク「ICEF Monitor」は、2015年11月5日に国際的な学生流動の動向に関する記事The state of international student mobility in 2015を紹介した。記事の概略は次のとおり。

“2014年に海外留学した学生の数は500万人と推計されている。これは、1990年の留学生数(130万人)の3倍以上の規模となっている。

こうした流動性拡大の大きな原動力となっているのが、アジアからの需要※1である。また今後、アフリカ※2やラテンアメリカ、カリブ海諸国※3といったアジア以外の地域も、さらなる流動化に影響を及ぼしうる重要な市場と見られている。

学生の留学先については、非英語圏への留学者数の増大に見られるように、多様化の傾向にある※4。さらに今後は、大学院レベルのプログラム※5や職業教育訓練プログラムへの需要が増大していくことが見込まれている。“

■□■□ 上記概要の補足(記事本文より)■□■□

※1 全留学生の53%はアジアからの学生。中国、インド、韓国が、留学生送り出しの主要国となっており、この三国で全留学生の1/4以上を占める。

※2 アフリカ諸国では、高等教育の需要に、量的・質的供給が追い付いていない。結果として、金銭的に余裕のある学生は、海外留学を志向する傾向。ナイジェリアは、2012年に5万人の学生を海外に送り出した。今後10年間で、大学院レベルの需要が高まる国の一つと考えられている。

※3 ラテンアメリカ・カリブ海諸国は、若年層人口(15-24歳)が現在1億人を超え、歴史上若年者数が最も多い時代に。教育へのアクセス、高等教育機関の質の向上、失業率低減が諸国の大きな課題。よって学生は海外留学を志向する傾向。

※4 アジア諸国は、主要な送り出し側となる一方、留学生の受入れも盛んに。例えば、中国では、インドネシアと韓国からの留学生が増加。インドネシアから中国への留学生数は、2010年以降、毎年10%成長し、現在は1.4万人を数える。韓国から中国への留学生数も、2003年から2012年にかけて倍増。これまでは、ほとんどの留学生はOECD諸国に向かう傾向。近年のアジア諸国の高等教育制度の拡大・質改善により、今後、学生流動性の傾向はさらなる多様化が予想される。

※5「大学院レベルのプログラム」について、ブリティッシュ・カウンシル(本サイト2015/1/15投稿記事)は、今後10年間でインド、中国をはじめ、ナイジェリア、サウジアラビア、パキスタン、インドネシアが大学院プログラムへの主要な送り出し国になると推定。

(※記事全文はICEF Monitorウェブサイト原典をご覧ください)

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