原典:オーストラリア高等教育質・基準機構(TEQSA)(英語)
オーストラリア高等教育質・基準機構(TEQSA)は、2016年4月19日に、TEQSAによって登録された高等教育機関に関する統計をまとめた報告書「Statistics Report on TEQSA Registered Higher Education Providers」の第3版を発表した。今回の報告書には、2014年度のデータを基にした統計が掲載されている。なお、報告書は、2014年9月に初版(本サイト2014/10/28投稿記事)、2015年6月に第2版(本サイト2015/7/2投稿記事)が刊行されている。
本記事では、報告書に掲載されているいくつかのデータの推移及びこれまでに刊行された統計報告書に基づき算出したオーストラリアの公立大学における学生数及び財源の推移について紹介する。
データの推移
2013 | 2014 | |
---|---|---|
高等教育機関数※1 | 173 | 178 |
在籍学生総数(人) | 1,330,579 | 1,391,049 |
オーストラリア国内で学ぶ外国人学生総数(人) | 333,820 | 354,278 |
オフショア教育の参加学生数(EFTSL換算※2) | 60,121 | 64,117 |
オフショア教育を提供する高等教育機関※3 | 39 | 39 |
※1: 現在の機関数はTEQSAのウェブサイトから確認できる。
※2: EFTSL(Equivalent Full-Time Student Load)は、正規課程の学生の学修量であり、1年間の学修量が1EFTSLとされる。オフショア教育で学ぶ学生の規模はこのEFTSLの単位で示されている。
※3: オフショア教育とは、オーストラリアの高等教育機関が自国以外の国・地域において提供する教育プログラム。2014年の39校は、登録高等教育機関全体の24%にあたる。39校のうち、8割以上(32校)は大学(university)。
学生数・収入源割合の推移
これまでに刊行された報告書のデータに基づき算出した、TEQSAに登録されている公立大学における学生数(国内学生数/留学生数)及び収入源割合の3カ年の推移について紹介する。
※員数(Headcount)で計算
オーストラリアの公立大学で学ぶ学生数については、上記のグラフのとおり、2012年以降増加が続いている。収入源については、政府からの補助金(Australian Government Grants)の割合が年々減少している一方、留学生の授業料やHECS/FEE-HELP対象学生納付金※4の割合が増加した。
※4: HECS-HELP(Higher Education Contribution Scheme-HELP)とは、 資格を有する連邦政府支援学生に対して、学生分担金の支払いを援助する融資制度。対象はオーストラリア国民と、特定の要件を満たすニュージーランドビザ保持者及び難民永住ビザ保持者。
FEE-HELP(Fee-paying student-HELP)とは、資格を有する授業料納付学生に対して、高等教育支援法(HESA)で承認された高等教育機関への授業料の全部または一部の支払いを援助する融資制度。対象は授業料納付学生のうち、オーストラリア国民と特定の要件を満たすオーストラリア永住ビザ保持者、ニュージーランドビザ保持者及び難民永住ビザ保持者。