SHAREプログラムによる政策概要の第1弾が発表

原典:SHARE Policy Brief(英語)

2016年6月、東南アジア諸国における高等教育制度の調和を支援する、EUとASEANによる2015年から2018年までの取組み「EUによるASEANの高等教育支援プログラム」(European Union Support to Higher Education in ASEAN: SHARE (QA-UPDATES 2015/4/22投稿記事))が、これまで実施した2度の政策対話を受けて、初の政策概要を発表した。今回の政策概要を含む今後の一連の政策概要は、優先課題となっているASEAN地域の高等教育圏の構築に向けた戦略的意思決定を支援することを目的としている。

今回発表された概要では、ASEAN諸国の教育大臣、教育関連の政府高官及び大学に向けてそれぞれ6つの提言がなされた。

教育大臣及び政府高官等に向けた提言では、現在ASEAN加盟10ヶ国の支援を受けて実施されている「ASEAN Scholarship」が、ASEAN高等教育圏を構築するための中核となり、EUにおけるエラスムス奨学金制度のように、他の奨学金プログラムを包含して、知名度を高めたり効果的な実施を促したりすることや、画期的な名称を付して域内全体で推進していくことが提言された。このほか、ASEAN地域における質保証の取組みや資格参照枠組の導入を進め、地域内での各国の制度や仕組みを比較できるようにし、各国がフォローアップの仕組みを構築していくべきといった提言がなされた。

大学に対しては、ASEAN域内や各国内での大学等間の協力や交流を促進させるために、情報の透明性を高めるためのツールとして、質保証や資格枠組、単位互換制度を開発、共有していくべきであるという提言のほか、大学のガバナンスプロセスやカリキュラムの構築において学生を巻き込むことが、質重視の高等教育構築のための重要な要素であるといった提言がなされた。

今回の概要に引き続き、今後は個別の政策課題について焦点を当てた政策概要も随時発表される予定である。

※欧州の主要な国際教育機関であるブリティッシュ・カウンシル(英国)、Campus France(フランス)、DAAD(ドイツ学術交流会)、EP-Nuffic(オランダ)、EUA(欧州大学協会)、ENQA(欧州高等教育質保証協会)によって実施される2015年から2018年の4年間のプログラム。ASEAN地域内の協力体制の強化、高等教育機関の質や競争力の向上、国際化の進展を通じたASEANコミュニティの密接化を通してASEAN地域の高等教育の調和を支援することを目的とし、以下の3つの主要領域から構成されている。

    • ブリティッシュ・カウンシルが主導する政策対話
    • DAADがENQAとEUAと協働で主導するASEAN資格参照枠組とASEANの質保証
    • Campus FranceとEP-Nufficが主導するASEAN単位互換制度とASEAN-EU単位互換制度と関連する奨学金制度

詳細は、SHAREウェブサイトを参照。

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