中国の教育機関による海外進出

出典①:オーストラリア教育訓練省(英語)
出典②:中国教育部(中国語)

2016年、オーストラリア初の100%中国資本の第三段階教育(Tertiary Education)機関である、Global Business College of Australiaが学生募集を開始した。なお、同機関は2015年9月にオーストラリア技能質保証機関(ASQA: Australian Skills and Qualifications Agency)による認可を受けている。

中国政府は長年にわたり、教育制度の国際化へ向けて海外機関との共同運営教育(中外共同教育)を中国国内で推進してきたが、近年、国外における拡大の方策を探っており、オーストラリアの他にも、中国の教育機関は世界各地でキャンパス設置やプログラム提供を進めている。

中国教育部によれば、2003年に施行された中国の教育交流・協力の促進及び高等教育機関の海外における学校運営の規則に係る高等教育国外学校運営暫定管理法(原語:高等教育境外辦学暫行管理辦法)に基づき、14の国と地域において4つの海外教育機関が設置され、98のプログラムの提供が行われている。なお、4つの機関は以下のとおりである。

*BLCU Tokyo College(北京語言大学東京校)
北京語言大学と日本の学校法人ISI学園の提携によって設立、2015年に開校。

*Soochow University Laos(蘇州大学ラオス校)
蘇州大学により設立され、ラオス教育・スポーツ省によって初めて認可された外国の教育機関であり2012年に開校。

*Xiamen University Malaysia Campus(厦門大学マレーシアキャンパス)
厦門大学により設立され、マレーシアにおいて大学として認可されており、2015年に開校。

*YUFE Business School in Bangkok(雲南大学ビジネススクールバンコク校)
雲南大学の金融経済学部とタイのランシット大学(Rangsit University)の提携により設立され、2014年にタイの教育省により認可。

中国が海外展開を強化する背景のひとつには、2014年11月に中国で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平国家主席が提唱した経済圏構想である「一帯一路構想」(”One Belt, One Road initiative”)があるものとみられる。

特に開発途上国が中国による国境を越えた教育プログラムを受け入れる背景には、中国による教育制度の開発、工学・技術教育発展への援助に対する期待がある。中国教育部は、一帯一路構想のインフラ整備に向けた労働者の訓練のため、質の高い教育訓練機関と中国企業との協働を推進している。教育部は、中国の教育機関に対し、海外でのプログラムの提供やキャンパス設立などについて引き続きの支援を行うとしている。

※第三段階教育:オーストラリアでは、後期中等教育(高等学校)後の教育は第三段階教育と呼ばれており、大学などの高等教育機関、職業教育訓練機関のほか、留学生向けの教育機関が含まれる。

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