教育部学位・研究生教育発展中心(CDGDC)は国務院教育督導委員会の委託を受け、初めての専門職学位レベル評価(試行)を実施すると発表した。学術学位に重きをおいた学科評価(第4サイクルが今年始動)に対し、専門職学位レベル評価は、専門職学位(原語:専業学位)※を評価するものである。
※当機構、中国の高等教育分野における質保証システムの概要P.21参照
今回の専門職学位水平評価(試行)では、法律、教育、臨床医学(中国医学は除外)、口腔医学、ビジネスマネジメント、公共マネジメント、会計、芸術(音楽)の8分野について、評価を実施する。定められた条件(例として、2015年12月末の時点において、3期以上の卒業生を輩出していることなど。)を満たす専門職学位授与機関は評価への参加が義務付けられている。
CDGDCは2年間近くの期間をかけて、関連の各方面の意見を幅広く聴取し、評価指標体系シンポジウムを40回開催し、コンセンサスを図り、6つの指標からなる《専門職学位レベル評価指標体系》を作り上げた。以下の6つの指標の基本的枠組みを踏まえて、上記8分野について、それぞれの特色に適した、異なる8つの指標体系を構築した。
指標体系の枠組み
- 育成目標
主に、人材育成目標が大学の役割や使命に合致しているかを評価するもので、人材育成目標の合理性、育成計画の実行性などが含まれる。
- 教員組織
主に、指導教員の資質構成が合理的であるかを評価するもので、専門職学位特有の人材育成を行うために十分な能力があるかといった指導教員の資質のレベルを評価するとともに、指導教員の実践的な指導能力(例えば、当該専門分野の業界などにおける実務経験があるか否か)などを評価する。
- 人材育成プロセス
主に、人材育成プロセスの効果を評価するもので、学生の実践能力の育成に重きを置き、学術論文などの科学研究については人材育成へのサポート的要素とみなし、人材育成における応用性、実践性を重点的に評価する。
- 学業の質
入学者の質、在学生の質、卒業成果の質、キャリア・ディベロップメント能力の質の4つの点について評価を行い、特にキャリア・ディベロップメント能力に重点が置かれる。卒業成果については、専門学位論文を対象とするが、論文には総合的な知識、技能の運用による問題解決能力を反映することが求められる。専門学位論文は、それぞれの専門職学位教育の関連規定に基づき、研究レポート、企画デザイン、製品開発、ケース分析、マネジメントプラン、発明特許、文学作品などを主な内容として、論文形式で表現しなければならない。
- 社会的評価
雇用主の評価と同業者による評価の両面から評価するもので、雇用主の評価は社会的評価として重要な指標であり、学生の職業倫理、職業適応能力、社会的責任感に重点が置かれる。
- 質保証体系
専門職学位教育の内部質保証メカニズムの有効性を評価する。
原典①:CDGDC
原典②:国務院教育督導委員会辦公室