賄賂や圧力 アラブ地域の質保証は発展途上

中東・北アフリカ地域17ヶ国の高等教育質保証制度を調査

大学設置後のフォローアップが機能しているのは5ヶ国だけ

質保証機関の独立性、規制関係者からの圧力など課題は多い

中東の教育系メディアAl-Fanarはアラブ地域各国の高等教育の質保証制度に関する調査を行い、2017年9月12日に17ヶ国分のデータを公表した。報道によると、調査した多くの国では大学の設置段階に国の認可のための審査を課すだけで、その後の定期的な質の評価は行われていないか、機能していなかった。今回の調査は同地域の研究者らによって企画されたもので、さらに多くの国のデータも後日公開する予定となっている。

大学設置後のフォローアップが行われていたのは17ヶ国中5ヶ国のみで、ヨルダン、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、モロッコ、イエメンであった。例えば、UAEでは高等教育機関に対して5年毎の第三者評価が行われていた。

一方、政府の強い影響力によって質保証機関が本来の役目を果たせていない事例も見られた。例えば、チュニジアでは質保証機関が高等教育省の下部組織となっているため、独立した活動ができないことが関係者への調査で明らかになった。

さらに、不正防止措置についても対応が遅れていた。例えば、利益相反や不正を禁止する規則がないため、高等教育の規制官庁の職員が私立高等教育機関の運営に関与していたり、試験の合否や学位の授与において収賄が横行している事例があった。また、不正防止対策をとっても国の指導者による超法規的措置や親族からの圧力により、取り締まりが機能しないこともあった。

アラブ地域では国主導の質保証制度作りが遅れる中、大学が自主的に国際的なアクレディテーションを得る(本サイト2015年4月6日掲載記事)動きも見られている。また、同地域には質保証機関ネットワークが存在し、国境を越えた教育プログラムの質保証で国際的な連携(本サイト2016年6月10日掲載記事)も行っている。

なお、今回の調査で得られた各国のデータはこちらの地図から詳細が閲覧できる。

原典:A Regional Survey: How Arab Countries Regulate Quality in Higher Education
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