2018年1月に欧州委員会は「Digital Education Action Plan」を採択し、その取組として、教育における技術面での支援やデジタル・コンピテンスにかかる11の計画を採択した。
11の計画には電子署名の資格証明書(Digitally-Signed Qualifications)(以下、電子証書)も含まれている。欧州委員会は2019年末までに、欧州統一の職務経歴書であるユーロパス(Europass)に電子証書を採択する。
電子証書とは、教育訓練機関が発行する電子書類で、ある人物に資格を授与したことの証明を目的とするものであり、雇用主や教育提供者等が証明書や資格が本物であるかを確認したり、学習者が雇用主や教育提供者に対して、証明書を電子媒体で提出できるようにしたりすることを目指す。
電子証書は新たなユーロパスのプラットフォームの一部として採り入れらる予定である。
新たなユーロパスのプラットフォームやその他の電子証書に関連する動きとしては下記のものがある。
- 2017年のブロックチェーンに関する欧州委員会からの報告書では、電子証書にブロックチェーンを用いる可能性について模索されている。
- 新たなユーロパスのプラットフォームの準備の一環として、欧州委員会は電子証書に関する既存の製品、事例の分析に係る提言を行った。
- マサチューセッツ工科大学は既に、ブロックチェーンを用いた卒業証書を発行している(本サイト2017/11/17投稿記事)。
- 資格認証分野においては、米国・カナダでブロックチェーンを用いた資格認証を、試行的に実施している(本サイト2018/6/18投稿記事)。
- 欧州においては生涯学習の一部として、幅広い分野において、デジタル・コンピテンスが取り組まれている(本サイト2018/3/13投稿記事)。
EU加盟国は、2018年4月に新たなユーロパスの枠組みについて採択した。2019年の終わりには電子証書の利用が可能になる見込みとなっている。