韓国:教員養成機関能力診断評価の結果公表。約3,200人の養成定員削減へ。

韓国教育部と韓国教育開発院は教員養成機関能力診断評価(大学・大学院対象)の結果を2021年2月23日に公表した。本制度は、大学等に置かれる教員養成を目的とした学部等を対象とした評価であり、評価結果が次年度の教員養成定員(以下、養成定員)に影響を与えることから、大学にとって重要な意味を持っている。評価の結果、全体で約3,200人の養成定員が削減される見込みとなった。
同評価は、韓国教育部と韓国教育開発院が、教員養成機関における組織的な質の管理と自律的発展を支援するとともに、教員養成機関の規模の調整を趣旨として実施するものである。大学教育の質確保や継続的な質向上を趣旨として韓国大学教育協議会(KCUE)が実施する大学機関別評価認証とは別の枠組みで行われている。

評価の概要

教員養成機関能力診断評価は1998年に開始され(当初は教員養成機関評価という名称)、現在は第5サイクル(2018~2021)にある。ここでいう教員養成機関とは、大学や専門大学(短期大学相当)に置かれる教員養成を目的とした学部・学科や、教員養成単科大学(教育大学・韓国教員大学校)、教育大学院等を指す。 今回公表されたのは2019~2020年に実施された大学及び大学院計154校における445の教員養成機関(※1)に対する評価の結果である。なお、教育大学・韓国教員大学校は2018年に実施されており、専門大学等は2021年に実施予定である。 評価には専任教員確保率や卒業生の教員任用率など計26の指標(※2)が用いられ、各機関は達成度に応じてA~Eでランク付けされる。CまたはDランクと評価された機関は一部を除き2022年度の養成定員が削減される(C:30%削減、D:50%削減)。さらに、Eランクの場合は教員養成機能の廃止となる。
(※1)今回の評価対象機関
師範大学:教員養成を目的とした学部
一般大学(教育科):師範大学以外の学部に設置された教員養成を目的とした学科
一般大学(教職課程):師範大学や教育科以外の学科に置かれる教員免許を取得するための課程
教育大学院(養成課程):教員免許を取得するための課程
教育大学院(再教育課程):現職教員の再教育を中心とする課程
(※2)指標の数・内容は機関種により異なる。本文中の「26の指標」は師範大学及び一般大学(教育科)の例。

評価結果の概要

今回の評価の結果、約3,200人(師範大学及び一般大学(教育科)約130人、一般大学(教職課程)約1,800人、教育大学院(養成課程)約1,200人)の養成定員が削減される見込みである(※3)
(※3)教育大学院(再教育課程)については養成定員削減や養成機能廃止の措置は取られず、専攻新設の制限等が行われる。

教員養成機関能力診断評価と大学基本能力診断評価

韓国政府は2014年に、学齢人口の減少に対応するため「大学構造改革推進計画」を打ち出した。これは、2023年までに大学への評価を通じて大学定員23万人を削減することを趣旨としたものである。大学基本能力診断評価(※4)(開始当初は大学構造改革評価という名称)はこの推進計画遂行のため実施される評価であり、2014年から2022年までを3期に分け、各期の評価結果に応じて定員の削減を行うものである。 教員養成機関能力診断評価は、2018年開始の第5サイクルより、それまでの「教員養成機関評価」から現在の名称に変更し、大学基本能力診断評価との連携を図っている。具体的には、教員養成単科大学(教育大学・韓国教員大学校)については、教員養成機関能力診断評価の結果が、そのまま大学基本能力診断評価の結果に反映されることとなっている。
(※4)大学基本能力診断評価の詳細については当機構発行「諸外国の高等教育分野における質保証システムの概要 韓国」の15-18ページを参照のこと。また第3期評価の動向については本サイト2020/3/5投稿記事を参照のこと。



原典➀:教育部(韓国語)
原典➁:韓国教育開発院(韓国語)
原典➂:韓国教育開発院(韓国語)

カテゴリー: 韓国 タグ: , パーマリンク

コメントを残す