韓国:2021年教育基本統計が発表。新入生充足率は減少局面続く。

2021年8月26日、韓国教育部は2021年教育基本統計を発表した。教育部と韓国教育開発院(KEDI)が共同で毎年実施する学校調査であり、調査対象は幼稚園から高等教育機関に至る23,576機関、調査項目は学校数や学生数、外国人留学生数、新入生充足率等となっている。調査結果は教育政策の策定等に用いられる。 2021年4月1日を基準日とする2021年調査結果の全教育段階を通じた傾向としては、在籍者数が前年比で127,685人減少するなど学齢人口の減少の影響が伺えた。

【高等教育に関する主な調査結果】

    高等教育機関数は426校で前年比3校減。
  • 東釜山大学、黄海大学(ともに専門大学)は廃校。慶南科学技術大学と慶尚大学が慶尚国立大学(一般大学)に統合。なお、東釜山大学、黄海大学は2018年に実施された大学基本能力診断(本サイト2018/9/28投稿記事)において財政支援制限大学(類型Ⅱ)に指定され、政府からの財政支援が制限されるなどの措置がとられていた。

  • 在学生数は3,201,561人(前年比74,766人(2.3%)減)。特に専門大学での減少が目立つ。
  • 主な内訳は、一般大学1,938,254人(前年比42,749人(2.2%)減)、専門大学576,041人(前年比45,731人(7.4%)減)、大学院327,415人(前年比6,820人(2.1%)増)。

  • 高等教育機関種別在籍学生数推移(単位:千人)
    (灰色縦棒:高等教育全体、ピンク色折線:一般大学、黄色折線:教育大学、緑色折線:専門大学、青色折線:その他、茶色折線:大学院)
    (出所:2021年8月26日教育部報道発表資料(以下原典①))
    外国人留学生数(在籍学生)は152,281人(前年比1,414人(0.9%)減)。
  • 学位プログラム留学生数は120,018人と前年比で7,015人(6.2%)増加した一方、語学研修生をはじめとする非学位プログラム留学生数が32,263人で前年比8,429人(20.7%)減と大幅に減少しており、語学研修等の非学位プログラムが、新型コロナウイルスによる大きな打撃を受けているとみられる。

  • 外国人留学生の派遣元国は中国(44.2%)が最大で、ベトナム(23.5%)、モンゴル(4%)、日本(2.5%)と続く。
  • 日本は派遣数全体の第4位だが、非学位プログラムに絞ると第3位である。また、派遣数に占める非学位プログラム留学生の割合は他の派遣元上位国よりも高い。

  • 新入生充足率(※)は高等教育機関全体で84.5%となっており、減少局面が続く。
  • 10年前の2011年(94.2%)から9.7%減少。機関種別で見ると専門大学(下図緑色の折れ線グラフ)の2021年充足率が前年比9.3%減と減少幅が目立つ。なお、新入生充足率については2021年に実施された大学基本能力診断(本サイト2020/3/5投稿記事)の評価指標において定量指標としては最も配点が高く、政府が高等教育機関の現況を測るうえで非常に重要な指標とされている。
  • ※新入生充足率(%)=(定員内入学生数/定員内募集人員)×100
    高等教育機関種別定員充足率推移
    (灰色縦棒:高等教育全体、ピンク色折線:一般大学、緑色折線:専門大学、茶色折線:大学院)
    (出所:2021年8月26日教育部報道発表資料(以下原典①))


    原典➀:教育部(韓国語)
    原典➁:韓国大学新聞(韓国語)

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