韓国教育部は2022年1月27日に「2023学年度専門大学専門技術修士課程基本計画 (原文:2023학년도 전문대학 전문기술석사과정기본계획)」を発表した。これまでパイロット事業参加大学のみが認可を受けていた専門技術修士課程の設置について、2023年度より対象が専門大学全体に拡大され、専門技術修士課程の制度が本格化することとなった。
専門技術修士課程とは
専門技術修士課程(原文:전문기술석사과정)とは2021年の法律改正により新設された専門大学※1(原文:전문대학)における修士課程である。従来専門大学は専門学士学位及び学士学位※2のみを授与するものとされていたが、近年需要の高まりを見せる先端分野での高度専門職業人材の専門大学での育成を目的として、2021年3月23日付けで高等教育法が一部改正され、同課程の設置・運営が可能となった。法制化以降は、専門大学5校(幹事校のみ、協力校3校含まず)がパイロット事業として13の専門技術修士課程を試験的に運営していた。また2021年12月には教育部よりこれら13の課程に対し、2022年度※3からの正式な専門技術修士課程としての運営が認可された。詳細については本サイト2021年9月7日掲載記事を参照のこと。※1 教育部、韓国教育開発院の教育統計年報2021によれば2021年4月1日時点で専門大学の機関数は134校。
※2 韓国の専門大学は、高等学校の卒業者等を入学資格とし、一部の分野を除き修業年限は2~3年間、卒業すると専門学士の学位が授与される。また、専門大学卒業者の継続的な教育のために専攻深化課程(修業年限1年以上)が設置されており、同課程を修了した者には学士の学位が授与される。専門大学の詳細については当機構発行「諸外国の高等教育分野における質保証システムの概要 韓国」の7ページを参照のこと。
※3 韓国の学年暦は3月1日~翌年2月末日。
2023年度専門大学専門技術修士課程基本計画
今回発表された基本計画の主な内容は以下の通りである。教育部長官のコメント
韓国のユ・ウネ(兪銀惠)副総理兼教育部長官は今回の計画発表に際し、「内実の伴った専門技術修士課程の運用及び同制度の活性化を通じて、新たな産業の需要に対応しうる専門技術人材の養成を持続的に支援していく。」とコメントしている。原典:教育部(韓国語)