高等教育機関の3階層化、5段階のランク付けを実施

原典:Bao Moi. com, MOET evaluates universities, but criteria for evaluation unclear, 10. Oct., 2014(英語)

ベトナム教育訓練省(MOET:The Ministry of Education and Training )の計画により、既存の高等教育機関を①研究志向型、②応用志向型、③実務志向型の3階層に区分し、5段階にランク付けする方針が出された※。3階層の区分化は10年以内に実施され、首相が決定をする。

また、高等教育機関は2年ごとにMOETによる機関別評価(school accreditation)を受審し、機関別評価の結果により5段階にランク付けされ、全体の上位10%が1st ランクの機関となる。

この政府の方針に対して、MOETは評価指標が不明確なままどのように教育機関の質を評価するのか、研究志向型の条件はベトナムの大学にはレベルが高すぎるのではないか、といった疑問の声や、各機関は常に予算不足のため研究プロジェクトを始動するための財源獲得が非常に難しい状況である、といった見方もある。

3階層の高等教育機関の種類

  • ① 研究志向型
    • <目的>
      知識階級の人材構築
    • <機関のタイプ>
      研究者および科学者養成機関として、様々な分野で学士・修士・博士課程のある機関
    • <条件>
      修士・博士課程の教育規模が機関全体の50%以上、かつ研究型教育プログラムは機関全体の60%以上であること。
      機関の終身雇用の講師や研究者の40%は博士号取得者とし、年50名の博士学位授与と年間50編の論文を著名な国際的科学雑誌へ掲載すること。
  • ② 応用志向型
    • <目的>
      国の産業化、近代化に貢献しうる人材の養成
    • <機関のタイプ>
      科学技術の応用力をもった学生を養成する機関。学位取得を伴う。
  • ③ 実務志向の高等教育機関
    • <目的>
      実技、科学的研究等の多くのトレーニングプログラムを通じた実務者の養成
    • <機関のタイプ>
      社会経済発展のための人材養成を行う短期大学(Junior colleges)

MOETの機関別評価結果に基づく高等教育機関の5段階のランク付け

1st
10%
2nd
20%
3rd
40%
4th
20%
5th
5%
*この図は原典記事に基づいて作成。記事で紹介された割合を足すと100%にはなっていない。
※2013年1月1日にベトナム高等教育法が施行され、その特徴の一つとして、教育資源の「選択と集中」方針を明確にしたことに起因している。各機関をランク付けし、その結果に基づいて予算配分を行うことが定められた(第9条 高等教育機関の階層化)。

出典:近田正博(2014)「翻訳 ベトナム高等教育法」名古屋高等教育研究第14号

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