原典:①CHEA(英語)
②Federal Register Notice(英語)
③USDE Final Staff Report (英語)
④nprEd How Learning Happens(英語)
米・大学の質に関する国家諮問委員会(NACIQI※: National Advisory Committee on Institutional Quality and Integrity)は、6月22日から3日間にわたり会合を開き、今後、アクレディテーション機関の認定に関し教育省長官に勧告を行う。
会合では、10のアクレディテーション機関から提出された認定更新の申請に対して、6機関の申請につき審議がなされた。このうち5機関についてアクレディテーション機関としての更新許可とし、1機関(ACICS: Accrediting Council for Independent Colleges and Schools)について更新不許可及び認定はく奪とする勧告がなされた。会合内で審議できなかった4機関の申請については、後日電話で審議がなされる。このほか、更新の時期を迎える2機関(National Council for Accreditation of Teacher EducationとTeacher Education Accreditation Council, Accreditation Committee)からは申請がなされなかった。
連邦教育省が会合に先立って提出した審議予定のアクレディテーション機関に関する報告書(Final Staff Report)において、更新不許可及び認定はく奪の勧告がなされたACICSは、以下をはじめとした21項目についてアクレディテーション機関の認定基準が満たされていない若しくは改善の必要があることが指摘されている。
認定基準 | 指摘事項 |
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・(a) アクレディテーション機関は、高等教育機関やそのプログラムの教育の質に関する信頼を得るにあたり、十分に厳格なアクレディテーション基準を有していることを証明しなければならない。この要件をみたすのは、以下の場合である。 (1) 次の分野に係るアクレディテーション基準において高等教育機関やそのプログラムの質を効果的に扱っている。 (i) 機関の使命に対応した学習成果。これには、他の高等教育機関やプログラム(コース・コンピレーション、州検定試験、就職率などについても考慮する。)における基準を含めることができる。 [認定基準602.16 (a)(1)(i)] |
・ ACICSが適格認定した多くの機関において就職率の詐称が行われていたとする、教育省及びカリフォルニア州司法長官による調査結果をふまえて、ACICSは再度この問題の解決にあたらなければならない。特に、ACICSが適格認定した機関に対して学生の利益に関し提起されている訴訟において、その措置が適切及び効果的であったことを説明しなければならない。 |
・ アクレディテーション機関は、高等教育機関やそのプログラムのコンプライアンスを評価する効果的な方法を有していなければならない。この要件をみたすのは、以下の場合である。 (a) アクレディテーション機関が高等教育機関やそのプログラムを以下の観点で評価したとき。 (1) 使命や学位等からみて適切な特定の教育目的を明確に維持しているかどうか。 (2) 目的を達成しているかどうか。 (3) 少なくとも一般に受け入れられている基準に一致する学位等を維持しているかどうか。 [認定基準602.17 (a)] |
・ 使命や目的に関する全体を通しての評価について、新たな評価基準やその評価チームに係る詳細が説明されていない。また、この基準が採用される2016年8月より前において、どのようにデータの完全性を確保してきたのかが明確でない。 したがって、新たな評価基準やその評価チームに係るポリシー及び手続きが明確にしなければならない。また、これまで適用してきた基準を示さなければならない。(これらは、例えば訪問調査報告書において示す必要がある。) |
ACICSは、私立大学を対象とした適格認定を行うために1912年に設立されたアクレディテーション機関で、連邦教育省及び米国高等教育アクレディテーション協会(CHEA: Council for Higher Education Accreditation)からアクレディテーション認定を受けており、米国及び10以上の国において、800校以上の高等教育機関を適格認定している。近年は、公表した卒業率に虚偽があり学生募集において強引な方法がとられたコリンチアン大学を適格認定したことで、社会的に問題視されていた。
連邦教育省によるアクレディテーション機関の認定や、各高等教育機関の連邦助成プログラムへの参加について教育省長官へ助言を行う。
近年の高等教育法の再授権の際のアクレディテーション制度改革へ向けての政策提言動向については、こちら(本サイト2015年1月13日投稿記事)。