出典:Eurydice Network
報告書:Education, Audiovisual and Culture Executive Agency
欧州38ヶ国の教育体系を図示
学校種、教育段階、就学年齢が一目で分かる
世界中には様々な教育制度が存在する。その制度の違いが国際的な学生交流推進の妨げとならないよう、各国関係者が互いの教育制度を理解し合うことは重要である。
学生の交流を地域全体で進める欧州では、欧州委員会が資金提供をするエラスムスプラス事業に参加する38ヶ国の教育体系の情報が一元的にまとめられており、Eurydiceネットワーク*として公開されている。Eurydiceは毎年、各国の最新の教育体系図を公表している。2016年10月には、最新版となる「The structure of the European education systems 2016/17 」が発表された。
*Eurydice Networkは欧州委員会により設立された、エラスムス+に参加する欧州各国の教育制度と政策の情報と分析を提供するネットワーク。欧州委員会の関係団体である教育・視聴覚・文化執行機関(EACEA)により管理されている。
掲載されているのは下記の38ヶ国。ベルギーやイギリスなど、1つの国に複数の教育制度が存在するところもあり、全部で43の教育体系が説明されている。
掲載国(掲載順):ベルギー(フランス語、ドイツ語、オランダ語各共同体)、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、クロアチア、イタリア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン、イギリス(イングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランド)、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、スイス、アイスランド、リヒテンシュタイン、モンテネグロ、マケドニア、ノルウェー、セルビア、トルコ

上記例(チェコ)のように、各教育体系が就学年齢を軸に、学校種や教育段階などの視点でまとめられている。さらに、義務教育の範囲やユネスコの教育段階分類によるレベル(ISCED)も記載されている。高等教育は右側に別枠でまとめられ、学校種と修業年限で図示されている。
Eurydiceでは教育制度の相互理解のため、体系図以外の情報も随時発信している。これまでにも各国の留学支援状況を評価したMobility Scoreboard(本サイト2014年3月31日掲載)、学生のアクセス、卒業、就職状況をまとめた報告書(本サイト2014年7月18日掲載)、各国の学費と財政支援体制をまとめた報告書(本サイト2014年11月12日掲載)などを発表している。