2016年11月14日から16日にかけて、ASEAN地域における学生のモビリティを促進するプログラムであるAIMS(ASEAN International Mobility for Students Programmes)プログラム(NIAD-QE国際連携ウェブサイト)の第10回レビューミーティング※1が、マレーシアで開催された。
今回の会合ではSEAMEO-RIHED(参照:NIAD-QE国際連携ウェブサイト)※2のシニア・プログラムオフィサーから、同プログラムの最新情報と今後の見通しについて発表があり、参加学生の経験および成果の測定に係る提案がなされた。特徴的なこととしては、各国の政府代表者、大学のIRO(International Relations Office:国際連携オフィス)、参加機関の研究者間での分科会が開催されたことである。その他、各国から自国の同プログラムの進展状況と戦略について発表があった。
AIMSプログラムの今後の方針(一部抜粋)
- 交流分野(study field)※3は、現状の10の分野から拡大せず、この10分野の強化に焦点を置く。特に環境科学や生物多様性、海洋科学といった新しい分野に関しては、高等教育機関にそれらの分野に取り組むよう推奨し強化する。
- インドネシアが、生物多様性と海洋科学の分野の新たな参加機関の選定を検討している。
- 参加各国間での学術交流や研究における連携。
- 2020年のAIMSプログラムの10周年記念に際し、加盟国間での覚書の締結。
AIMSプログラムの参加学生の経験および成果の測定
- AIMSプログラムは、「高等教育における公的な空間(a common HE area)」の設立および、国際的な人材育成を目指して、モビリティの促進を目的としている。その一方、参加学生の参加後のデータがあまりなかった。そのような状況下において、2016年に韓国が加盟し、同プログラムの効果を測定する共同プロジェクトの提案がなされた。
- 当プロジェクトの目的は、同プログラムが参加学生の成長・発展やキャリアに与える影響を測定することである。当プロジェクトには、韓国政府が2016年から2018年にかけて資金提供する。
- 調査項目は①同プログラムの参加学生の経験(参加前のモチベーションや準備、同プログラムに対する全体的な満足度と評価等)、②留学先の言語の能力(読解力、聴解力、会話、作文に関する質問)、③多文化能力(参加者自身の文化に関する質問と留学先の文化に関する質問等)
※1レビューミーティングとは、AIMSプログラムの現状把握や現実的な課題について検討するため、プログラム参加国(マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、韓国、日本)の政策担当者、評価者およびプログラム参加大学の関係者が集まる定期会合であり、原則として年2回開催されている。第8回AIMSプログラム・レビューミーティングはこちらを参照(本サイト2015/1/26投稿記事)。
※2SEAMEO-RIHED (Southeast Asian Ministers of Education Organisation – Regional Institute of Higher Education and Development : 東南アジア教育大臣機構・高等教育開発センター)
※3交流は学部学生を対象とし、10の分野(ホスピタリティ・観光、農業、言語・文化、国際ビジネス、食料科学技術、工学、経済学、環境科学、生物多様性、海洋科学)のもと、各国政府が選定した高等教育機関間で学生交流が行われる。なお、交流分野は高等教育機関ごとに割り当てられている。
原典①:SEMEO RIHED(英語)
原典②:10th Review Meeting Compiled Report(英語)
参考 :De La Salle University(英語)