エストニアでも書類のない難民の資格審査を開始

学位証書をはじめとした学習歴を証明する書類を持たない難民に対する学習歴を認定する取組は、欧州を中心として広がりつつある。

2018年6月8日にエストニアで、外国における教育に関する書類の審査と学術教育の認証に係る法律が施行された。本法律によって、難民や難民に準ずる状態にある人物が、中等教育および高等教育の資格について審査を申請する際、証明書などが提出できない場合であっても資格を審査することができるようになった。
今回の決定の背景には、リスボン認証条約(参照:NIAD-QE国際連携ウェブサイト)があり、本条約では批准国に対し、難民や難民に準ずる状態にある人物が証明書類の全部または一部を保持していない場合でも、高等教育への進学や就職のための制度を整備することを求めている(セクションⅦ)。

エストニアにおける難民については、2017年に180人が庇護を求めてエストニアに到着した。難民の主な出身国はシリア、ロシア、ジョージア(グルジア)、ウクライナ、イランである。他の周辺国では、スウェーデンに約2万人、フィンランドに約4,000人が到着し、またリトアニア(約500人)やラトビア(約350人)といった他のバルト諸国と比較しても、エストニアに向かう難民の数は少ない。なおエストニア政府は、2年間で難民を500人受け入れるという方針をとっている。

エストニアにおける難民の資格審査の概要

資格審査はエストニアでの教育や就業経験がなくとも行われ、難民が保有する資格についてエストニアにおける資格との相当性を評価する。資格審査に当たって、エストニアのENIC/NARICセンターは、申請者が提供した情報とENIC/NARICセンターが有する情報の両方を用いて、申請者の学習歴の一覧表(haridustausta kirjelduse)を無料で、申請から60日以内に作成する。学習歴の一覧表は高等教育機関や雇用主に対して、申請者が学習した教育機関やプログラム、取得した資格について、十分な情報を提供するツールとなっている。

難民の資格審査のために開発されたもの

証明書類を持たない難民の資格審査にあたっては、他国でも独自の方法を生み出している。例えばオランダでは、書類を持たない難民の資格審査のためのツールキットを開発している(本サイト2017/1/30投稿記事)。また、ノルウェーにおいて2015年に考案された「難民のための欧州資格パスポート」(本サイト2015/12/17投稿記事)は、難民の資格審査に関するプロジェクトを欧州に拡大し、ノルウェーのみならず、ギリシャやイタリアにおいても難民の資格審査が行われ、パスポートが発行されるようになった。(本サイト2017/4/26投稿記事)

原典:Archimedes Foundation (エストニア語)
参考①:UNHCR(英語)
参考②:エストニア政府(英語)

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