SDGsやデジタル時代にどう貢献できるか―第7回ASEM教育大臣会合

第7回のASEM(アジア欧州会合)教育大臣会合が、2019年5月15日から16日にルーマニア・ブカレストで開催された。

今回の会合のテーマは「Connecting education: inclusion, mobility and excellence in support of the Sustainable Development Goals」。デジタル時代においてバランスのとれた包摂的な学生、研究者等の流動性をどう高めていくべきか、また国連の持続可能な開発目標(SDGs)(本サイト2017/9/29投稿記事)の実現に向けて、ASEMが10年に渡り展開してきた「ASEM教育プロセス」(ASEM Education Process)がどのように貢献できるかが議論された。会合結果は「Conclusions by the Chair」にまとめられている。

ASEM教育プロセスでは4つの重点テーマが掲げられ、各国政府及び関係国際機関が主導して様々な取組みが稼働している。

■ ASEM教育プロセスの4つの重点テーマ
A. 質保証と認証 (Quality Assurance and Recognition)
B. 経済界の教育への関与 (Engaging Business and Industry in Education)
C. バランスのとれた流動性 (Balanced Mobility)
D. 職業訓練教育を含む生涯学習 (Lifelong Learning, including Technical and Vocational Education and Training)

特に、SDGsの4番目の国際目標「質の高い教育をみんなに」の実現に具体的に貢献していくため、「持続可能な開発」をASEM教育プロセスの横断的テーマと位置づけ、4つの重点テーマとの関連性をより明確にすること、同様に「デジタル化」を2つ目の横断的テーマとして、アジア・欧州間の接続・連携にデジタル化がどのような機会と課題をもたらすか明らかにしていくことが確認された。

日本は、テーマCにおいて日本での欧州高等教育フェアの開催、テーマDにおいてASEF Classroom Network(アジア欧州財団による中学校・高等学校の教員・学生の連携プラットフォーム)の会議開催などを務める。

4つの重点テーマのうち、「A.質保証と認証」において取り上げられた取組みは以下のとおり。

■「A.質保証と認証」における取組み

  • 国境を越えた高等教育質保証ネットワーク(CBQAN)(本サイト2017/1/18投稿記事)が、アジア・欧州間で行われている質保証や高等教育プログラムの優秀事例をまとめたウェブサイトの構築、国境を越えた教育の質に関するガイドラインの策定をそれぞれ進めている。
  • アジア・欧州地域間の単位互換メカニズム・学習成果システムに関する専門家グループが、各国の協力を得て、高等教育制度に関する国ごとの概要(compendium)の作成を今後行う。また、成績評価に関する枠組みづくりを進める。
  • ユネスコによる「高等教育の資格の承認に関する世界規約」(Global Convention on the Recognition of Higher Education Qualifications)が2019年9月に採択される見通し。
  • ASEAN諸国の高等教育機関の国際化や学生の流動性向上をEUの支援により実施する 「EU-ASEAN間の高等教育分野の連携プログラム」(SHARE)(本サイト2015/4/22投稿記事)が、2015年から2018年のプロジェクト期間で数次の政策対話、ASEAN間の留学奨学金の授与(400名分)、ASEAN間の単位互換などの実績を重ねた。今後、プロジェクトの第2フェーズ(2019~2021年)が立ち上がる。
  • 国際大学協会(IAU)がASEMに対し、世界の高等教育機関に関するIAUの情報ポータル「World Higher Education Database(WHED)」(本サイト2014/10/16投稿記事)のデータの活用を提案。アジア・欧州の高等教育に関する相互理解・透明性の一助となることが期待される。

ASEM教育プロセスの今後については、2030年に向けてASEM教育プロセスの具体的な数値目標やアクションプランをまとめた戦略書「ASEM Education Process Vision 2030」を策定することが決まり、次回の教育大臣会合(2021年・タイ)での策定を目指して、今後各国間で議論が重ねられる。

原典:ASEM Education(英語)

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